2007年1月20日から伊豆・稲取温泉で「雛のつるし飾りまつり」がはじまります。
よく「つるし雛」と呼びますが、稲取では「つるし飾り」といいます。
着物などの端切れなどでつくった、さまざまな形の布細工を雛壇の両側に飾りつける、この地方独特の雛飾り。その色鮮やかさと手作りならではの温もりを楽しめる、一足早い春を感じるお祭りです。
稲取には天然温泉もあり、名物の金目鯛をはじめ、海の幸がたくさん。
穏やかな気候なので、寒さ厳しいこの季節にぜひ出掛けたいオススメのスポットです。
つるし飾りの赤色は元気と温かさをくれる色。
金目鯛も赤色。
伊豆の赤色で癒されてみませんか。
■1ページ：つるし飾りの由来と意味
■2ページ：お祭りの詳細とイベント情報
■3ページ稲取のおいしい温泉宿情報
雛のつるし飾り祭り
たくさんの布細工を赤い糸でつるす「つるし飾り」。雛祭りにこのような布細工をつり下げて飾るのは、伊豆稲取のほか、福岡県柳川の「さげもん」、山形県酒田地方の「傘福」があり、日本三大工芸細工といわれています。日本各地には、古くからさまざまな布細工があるのですが、現在ではこれらをまねたり、似せたりして作られているものが多く、この３地域が元祖ということになっています（このあたりは各地域でプライドを持っているのであまり突っ込みません）。
なぜ、九州、静岡、山形という離れた地域によく似た雛飾りが生まれたのかについては、柳川から伊豆にお嫁に来た女性が広めたとか、江戸時代の流通の要である北前船の寄港地であった港町に広まったとか、いくつも説があるのですが、はっきりしたことはわかっていないようです。
稲取の｢つるし飾り｣は江戸時代にはじまったといわれ、当時の雛人形はとても高価であり、購入できる家庭はほとんどなく、子供や孫のためにせめて手作りの雛飾りで初節句を祝おうという親心が、現在まで受け継がれてきたようです。
つるし飾りに託す願い
つるし飾りは布細工を竹ひごの輪から赤い糸つるし、雛壇の両側に飾ります。布細工の種類は50種類。ひとつひとつに意味があり、子供への願いをお飾りの形にして、祖母や母が丁寧に縫い上げ、飾りつけます。長寿や招福など、各家庭で飾る細工ものの種類は異なっています。
つるし飾り鑑賞の楽しさは、このお飾りの多様さ。いくつ見つけられるか挑戦してみたり、同じモチーフでも個性があるので、見比べたりするのもいいですよ。
お飾りの主なものをご紹介しましょう。
○桃：邪気をはらい、延命長寿の意が。実が多く多産の象徴も。
○這い子：ハイハイの多い子は丈夫に育つので、健やかな成長を願って。
○柿： 栄養、滋養があり、長寿の木、厄払いの効果があるという言い伝えから。
○巾着：すべてのお金が我が子に集まり幸せになるように。
○金目鯛：稲取名産の縁起物。赤い色は魔除けの色。
○唐辛子：虫除けの効能があり、赤ちゃんにも悪い虫がつかないように。
○梟：不苦労で、苦労しないことを願って。
など。
稲取のつるし飾りの特徴はこれらの飾りを雛壇の両側に50個づつ、計100個を飾りつける豪華なもの。ガイドも昨年、見に行きましたが、圧倒されました！美しく、温かく、愛情をひしひしと感じる、つるし飾り。
1月20日からはじまる「雛のつるし飾りまつり」では稲取地域各所でさまざまな飾りを目に出来るほか、制作体験教室も開かれています。
また、販売もされています。ガイドが購入したものは3つのお飾りがついたもの。これで確か1500円くらいでした。買ったのは稲取の電気屋さん。お店の半分は「つるし飾り」スペースで見学や購入もできるんです。稲取にはこういう、本業とは別に「つるし飾り」を飾ったり、販売したりしているお店が多いんです。
購入したものは、自宅の玄関先などに飾るとなかなか可愛いですよ。
次ページでは祭りの詳細と、オススメの稲取温泉のおいしい宿をご紹介します！
★そうそう、2月からはお隣の河津町で河津桜が咲き始めますよ。こちらも春を先取りのイベント。濃いめの色合いの桜が咲き誇る様子は溜息ものです。
