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初詣は氏神さまへ 実は氏神様はこんな人?(3ページ目)

神社は木々の精気と玉砂利を踏む足音で心が落ち着く癒し空間。新年、まずは、清浄な空気を浴びに初詣に出かけませんか。暮らしを守ってくれる氏神様は実は意外な人物。神社探訪も面白いですよ。

執筆者:本多 美也子

神様ってどんな人 その2

■稲荷神社
古いお家では、自宅の庭に祀ってあったりするお稲荷さま。

お稲荷さまを祀る神社は全国に2万近くあるといわれます。稲荷神社に祀られているのはキツネではなく、宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ、倉稲魂神とも書く)。宇迦之御魂神の「うか」は食物、なかでも稲を意味しています。つまり五穀豊穣を担当する神様。また、神さまが稲を荷なわれたことから稲荷の字をあてたともいわれています。


■八幡宮・八幡神社
八幡神社は全国に4万社余り。祭神は、第15代応神天皇(誉田別命・ほむだわけのみこと)、その母の神功皇后(息長帯比売命・おきながたらしひめのみこと)、比売大神(ひめおおかみ 比売大神は海上交通の守り神・宗像三女神といわれています)の三神。

他の関係者を祀る場合もあります。八幡信仰は、大分県宇佐市の宇佐神宮(明治4年までは宇佐八幡宮)に始まり、皇室の信奉厚い神社でした。奈良時代には、天皇の継嗣をめぐって、この宇佐八幡宮のご託宣が、重要視されています(ご託宣事件:和気清麻呂、道鏡など絡む皇位継承事件)。

その後、源義家が京都の石清水八幡宮で元服をした縁で源氏の氏神となり、さらに源頼朝により鎌倉に鶴岡八幡宮が創建されてからは、全国の武家の守護神として各地に広まったといわれています。

宇佐神宮ホームページ


■天満宮・天神社
祭神は平安時代の貴族・菅原道真(すがわらのみちざね)で、京都の北野天満宮がはじまり。道真は身分は低かったものの、有能で賢く、漢詩や書に秀で、天皇の信頼を得、右大臣にまで登りつめました。しかし、対抗する藤原氏の讒言を受け、九州・太宰府に流され、その地で悲嘆にくれながら亡くなりました。

その後、都では天変地異が続き、藤原一族があいついで亡くなったため、道真の恨みによるのではないかと、これらの災いを鎮めるために道真を手厚く祀ったのです。これが北野天満宮です。以来、道真は天神さまとして祀られ、その神社は全国で1万社以上。道真の魂を鎮める神社は、やがて、道真の得意分野である学問や書の上達を祈願する神社に変化していくわけです。

こういった歴史上の人物が祭神になった神社は意外と多く、徳川家康の東照宮、豊臣秀吉の豊国神社、陰陽師・阿倍晴明の晴明神社など。また、東京には明治時代を生きた明治天皇(明治神宮)、乃木希典(乃木神社)、日露戦争の日本海大海戦でロシアバルチック艦隊を殲滅した連合艦隊司令長官・東郷平八郎(東郷神社)などを祀った神社もあります。

北野天満宮  


■えびす神 恵比須さま
七福神のひとりで釣り竿を鯛を手にするえびすさま。本来、漁村で「海幸の神」として信仰され、のちに七福神信仰と合体して「商売繁盛」の神様になっていきます。

恵比須は通称で、元々は蛭子神(ひるこのかみ)または事代主神(ことしろぬしのかみ)とする二説があります。『古事記』によれば蛭子神は、伊邪那岐(いざなぎ)・伊邪那美(いざなみ)神の最初の子。 一方、事代主神は大国主命(おおくにぬしのみこと)の子供。島根県美保関町鎮座の美保(みほ)神社は、事代主神の神話に因んだ数々の神事を伝えていることで知られています。 蛭子神・事代主神および総称の恵比須神などを主な御祭神とする神社は、全国に約1500社あります。

美保神社


とりあえず、代表的な神様をご紹介しましたが、神様はまだまだたくさんいます。ご近所の氏神さまや、旅先の神社の神さまなど、神社の由来書をちょっと覗いてみませんか。意外な人が神様になっているかも?
知らなかった歴史に「へぇ~」と感心したり、古代ロマンに浸れますよ。

参考サイト
神社本庁ホームページ



【オールアバウトおすすめ神社リンク集】

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