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初詣は氏神さまへ 実は氏神様はこんな人?(2ページ目)

神社は木々の精気と玉砂利を踏む足音で心が落ち着く癒し空間。新年、まずは、清浄な空気を浴びに初詣に出かけませんか。暮らしを守ってくれる氏神様は実は意外な人物。神社探訪も面白いですよ。

執筆者:本多 美也子

神様ってどんな人?

日本にはやおよろずの神様がいるといわれます。やおよろず=八百万ですから、大阪府(852万人 )や神奈川県(862万人 平成12年総務庁統計 )の人口に匹敵するほどの人数です! ちなみに愛知、埼玉の700万人よりは遙かに多いんです。


さて、これらの神様を祀るのが神社ですが、天皇家の御祖神・天照大神(あまてらすおおみかみ)を祀る伊勢の神宮を頂点に、神社の数は全国に約10万! 身近なところでは家にある神棚、鏡餅を供える玄関、台所にトイレなどにも神様が宿るといいますし、特に信仰していなくても、生活の中にとけこんでいるのが、日本の神様たち。

特に氏神さまと呼ばれる(産土(うぶすな)さま、鎮守(ちんじゅ)さまともいう)神社は、その地域に暮らす人々を守ってくれる大切な存在といわれています。よく「初詣は氏神さまから」というポスターをみかけますが、自分を守ってくれる氏神さまを知っていますか?

八幡さま、お稲荷さん、天神さまなど、初詣のほか受験や神前結婚式などで、けっこうお世話になっていると思うのですが、この神様たち、本当はいったいどんな人なのでしょう。
今回は、代表的な神様の実態をご紹介します。なんといっても800万人ほどいらっしゃるので……。


■神明神社、大神宮、伊勢神社、天祖神社
天照大神(あまてらすおおみかみ)を祀る神社。天照大神は『古事記』に登場する神様の中の神様。太陽神に擬せられ、天皇家の祖にあたる神様といわれます。

日本の神社の頂点はこの天照大神を祀る伊勢神宮(正式には「神宮」。天照大神を祀るのは神宮の中でも「内宮」)。五十鈴川で禊ぎし、巨木と玉砂利に囲まれた神宮は塵ひとつ落ちていない清冽な場所。清らかな精気に浸れるまさに癒しの空間です。
天照大神を祀る神社は全国に約5400社。

伊勢の神宮


■出雲大社、出雲神社
「因幡の白ウサギ」など出雲神話の主人公、大国主命(おおくにぬしのみこと)を祀り、島根県の出雲大社を頂点とする神社。『古事記』に登場する大国主命(出雲大社では大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)といいます)は、農耕の神様で縁結びの神様としても有名。

はじめ日本を治めていたが、天照大神に「国譲り」したといいます(『古事記』)。七福神のひとり、大黒さまは大国主命の別称。『日本書紀』では大物主命(おおものぬしのみこと)と呼ばれ(別人という説もあり)、金刀比羅宮・琴平神社に祀られる神様になります。大己貴大神(おおなむちのおおかみ)の別称もあり、出雲王朝とともにちょっと謎多き神様です。

出雲大社


■八坂神社
『古事記』の「やまたのおろち」で有名な須佐之男命(素戔嗚尊とも表記・すさのおのみこと)が主祭神。ほかに妻となったクシイナダヒメノミコト(櫛稲田姫命)と、ヤハシラノミコガミ(八柱神子神)を祀る。祇園祭で有名な京都の八坂神社をはじめ全国各地に祀られ、全国に約3000社。「祇園社」「感神院」とも呼ばれています。

八坂神社


■諏訪大社・諏訪神社
主に建御名方神(たけみなかたのかみ)とそのお妃(きさき)の八坂刀売神(やさかとめのかみ)を祀る神社。その数、全国で約5700社。建御名方神は大国主命の子供といわれ、いわゆる出雲系の神様。
『古事記』によると天照大神の子孫が地上に降りた際、その使いであった、建御雷神(たけみかづちのかみ)と力競べをした結果、信濃国諏訪の地にとどまり(負けたってことでしょうか?)、この地を守る神さまになったといわれます。

長野県にある諏訪大社は7年に一度の勇壮な「御柱祭」が有名(このお祭りも由来が謎です)。

諏訪大社


■春日大社・春日神社
映画「千と千尋の神隠し」にも登場した春日大社の祭神・春日さま。
春日さまを祀る神社は全国で約3000。春日さまは実は複数の神様の集合神社。摂関家・藤原氏の氏神として有名です。

奈良・春日大社に祀られる神様は、茨城県の鹿島神宮から迎えられた武甕槌命(タケミカヅチのミコト)、千葉県の香取神宮から迎えられた経津主命(フツヌシのミコト)、大阪府枚岡(ひらおか)神社天児屋根命(アメノコヤネのミコト)と比売神(ヒメガミ)。天皇家の神・天照大神を守る神々です。

春日大社

■住吉大社・住吉神社
住吉さまを祀る神社は全国で約2000社。住吉の神は伊邪那岐(いざなぎ)の神が黄泉の国から戻って川で禊ぎをした時に生まれた神。この時水の底の方に潜った時に生まれたのが底津綿津見神・底筒之男命(そこつつのおのみこと)、中ほどにいた時生まれたのが中津綿津見神・中筒之男命(なかつつのおのみこと)、水の表面で生まれたのが上津綿津見神・上筒之男命(うわつつのおのみこと)です。

住吉神社はこの三神が主祭神。住吉神社の多くは、海岸や川口近いところに鎮座し、古くから海上守護神として、漁業や航海、また海運に携わる人々の篤い信仰を集めてきました。

住吉大社


次ページでは八幡さま、お稲荷さま、天神さまなど、お馴染みの神様の知られざる一面を解説。癒し系神社、当選に御利益のある神社、子宝神社などのリンク集もお届けです!

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