PE/PMP®で新たな人生が拓けた!
東北大学工学部冶金学科卒。
国内の製鉄会社に入社し、15年の工場勤務の後、25年間海外プロジェクト業務に従事。ブラジル、カタール、バーレーン、イランなどでプロジェクトマネジメントに従事。海外プロジェクト担当・理事を最後に2001年退任し、コンサルタントとして技術者の国際化を支援。
現在はNPO法人日本プロフェッショナルエンジニア協会の監事また、教育部会において会員技術者のPE取得、PMP資格取得の研修を担当している。PE資格・PMP資格保持・英検一級取得。
PEは、米国技術者資格Professional Engineer(プロフェッショナル・エンジニア)の略。PMP®は、Project Management Professional(プロジェクト・マネジメント・プロフェッショナル)の略。いずれもエンジニアおよびプロジェクト・マネジャーの国際資格です。今回は、企業技術者としての仕事を終え、その後、NPO法人日本プロフェッショナル・エンジニア協会でボランティアとして棚卸しの人生をエンジョイしていらっしゃる、大久保和彦氏に、英語と技術の活かし方をインタビューいたしました。
PE資格は企業技術者人生の棚卸し!
ガイド:企業技術者として生きてこられて、今は独立されているわけですが、PEという資格はその点、どんな意味を持っていたと思われますか?
大久保:
定年を目前にして、まずは自分自身がこれまで過ごしてきた、企業技術者としての「人生の棚卸し」をしたいと考えました。これからは、企業の一員ではなく、いずれか一人の技術者また、個人として生きていかなければならないわけですから、そのための準備を始めたいと考えていました。
そんなときに、PEという資格に出会ったわけです。
ガイド:
資格を取ってから何が一番変わったと思われますか?
大久保:
そうですね、まずは企業でやってきたことを、眼に見える形で証明できたという実感です。次に、アメリカの資格ですので、自分自身の英語力の証明も同時にできたと感じました。英語は、高校生の頃から好きで、大学が東北大学でしたから、アメリカ軍のキャンプ仙台から流れてくる、FEN(極東放送)に耳を傾けて、熱心に勉強した思い出があります。英検1級を取ったのは、それから随分後になりますが、その頃の英語の勉強がその後の海外業務やPE受験にも大いに役立ったと思います。
そして、何よりも一人の技術者として世界中どこにいってもやれるという自信を得られたことがとても大きいですね。アメリカでは、政府や州の公共事業を受注する際には、PE資格者が必要な場合がほとんどですし、日本よりもはるかに社会的な地位が高い。このPE資格によって、海外で企業技術者としてあるいは一人でコンサルタントとして高収入を得ている方もいらっしゃいます。
PMPは技術者にとって「鬼に金棒!」
ガイド:PMP資格についてはいかがですか?
大久保:
プロジェクト・マネジメントについては、私が、海外プロジェクトを担当しているときに知りました。
あの当時は、PMPの手法自体を知りませんでしたので、随分と苦労しました。ところが、海外の担当者は、すでにこの考え方を知っていて、彼らから教えられたところが多かったです。それで、後にPMP資格の存在を知り、勉強の過程で、これまでのプロジェクトでやってきたことを、追体験、再確認する絶好の機会になりました。
海外の技術者には、PEと並んでPMPを取得しているエンジニアも多く、その場合、英語で進めるプロジェクトで、いわば、英語に次ぐ共通言語の働きをしているといえます。PMP®のTerm(専門用語)を知っているかいないかは、プロジェクトを円滑に進めるうえで、非常に重要であると感じました。PMP/PEの資格取得者は、海外ではとても敬意を払われるのも日本とは異なる点です。
現在、PE資格を持っている日本の技術者が、このPMPを持てば、まさに「鬼に金棒」(笑)ということで、『鬼金セミナー』なるものを、日本プロフェッショナルエンジニア協会で、実施しています。
次に、技術者としての経験を活かしたボランティア活動の生きがいについてお伺いしました。⇒