中国の【黄色】は、本来は高貴な人のための色
中国の【黄色】
京劇の世界においても、黄色は記事「いろいろ楽しく中国語 京劇入門~京劇迷への第一歩~」でも紹介しましたが主役が身につける色(上五色shang4wu3se4)のうちのひとつです。
また、黄は「黄金」を連想させ、お金や金運にまつわる色とされています。(風水でも黄色や金色は、金運によい影響を与える色として登場していますよね)
これら本来の意味を踏まえて、黄色は中国人に好まれる色です。ですが黄色には、マイナスの意味を持つ場合もあります。
黄色をなくせ! 掃黄運動
「掃黄運動sao3huang2yun4dong4」とは、中国政府が街から黄色的なモノを一掃しようとしている運動のことです。【黄色的なモノ】と言っても、黄色い屋根や黄色い看板を禁止しているわけではありません。日本にも、中国語で言うところの黄色的なモノはたくさんあります。時々、ある漫画や雑誌などが「黄色的だ」として問題視されたり、ネットの世界にはびこる「黄色的なサイト」を子供に見せないためのセキュリティソフトが家庭で導入されたりということもよくあります。
大人になれば自己責任で黄色の世界を楽しむことが許されますが、度が過ぎてしまうと恋人や夫婦の仲に亀裂が入ってしまうことも…。
このように書けばほとんどの方がお気づきになることでしょう。
中国語の黄色には「卑猥・猥褻・堕落」などの意味があり、日本語の「ピンク」とよく似ています。
【黄色電影】は「ピンク映画」(もはや死語になっているような気がしますが…)【黄色録】は「ポルノビデオ」、【黄色小説】は「エロ小説」のことなのです。
それにしても…なぜ中国では黄色で、日本ではピンクなのでしょうね?
中国の結婚祝いに黄色はやめましょう
黄色のものは避けるべき!?
これは、黄色がエッチな意味があるから、というわけではなくて、黄色は別の言葉を連想させるからです。
黄色は「黄了huang2le」=おじゃんになる おながれになる という言葉を連想させます。
一生、この人を…と心に決めて誓いあう結婚のお祝いに、この言葉を連想させるのはふさわしくありませんね。日本でも結婚のお祝いの席で「壊れる」とか「別れる」などという言葉を避けますが、中国も日本以上に言葉での縁起担ぎをしますので覚えておきましょう。
中国で縁起のいい色と言えば、なんといっても紅[hong2]。
お祝い事や贈り物の色に迷ったら、赤いモノにしておけば間違いありません。
中国でのビジネスが難航したら、商談の席では「黄色のネクタイ」とか「黄色の書類」などを排除する…というのも、縁起担ぎとして試してみるといいかもしれませんよ!
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