京劇の登場人物はキャラクターの演じる役割や性格などから「生・旦・浄・丑」の4パターンに分けられます。
そして、さらにそのカテゴリーの中で歌を中心に演じるキャラクターと立ち回りを中心に演じるキャラクターがいます。それぞれの役割や年齢の設定などによって、キャラクターの呼び名もいろいろあります。
自分のお目当ての役者は「生」それとも「丑」…?それは、役者のメイク方法や衣装などで見分けることができます。
それぞれのキャラクターの特徴を見ながら、呼び名を覚えましょう。
男性役。肌は自然な色で、おでこに赤い縦線が入っているのが特徴。目の周りも赤い。
老生[lao3sheng1]30代以上の男性でひげがある。ひげが黒いのは若い老生で、白いのは老人の老生。
武生[wu3sheng1]立ち回りをする男性、よろいなどをつけて登場する。ひげはある場合とない場合がある。
小生[xiao3sheng1]若い男性。
女性役。顔全体は白く、目の周りは赤い。花旦以外は袖の長い衣装を身につけ、手をあまり見せない。指先で女性らしさ、優雅さを表現する。お尻が揺れる色っぽい歩き方をする。
京劇が登場した最初の頃は、京劇役者は男性だけで、女性役も男性が演じていました。歌舞伎の女形と同じなのですが、現在ではほとんどの場合、女性役は女性の京劇俳優が演じています。
青衣旦[qing1yi4dan4]既婚女性、歌を中心に担当する。
武旦[wu3dan4]・刀馬旦[dao1ma3dan4]歌って、立ち回りをする女性。
花旦[hua1dan4]14~18歳くらいの未婚女性で、袖が短い衣装を着ている。
老旦[lao3dan4]老女、おばさん役。
隈取している男性役で、個性の強いキャラクター。
体の動きも大きく、ダイナミックで威圧的に見える仕種が多い。
槍や刀などの小道具も生に比べてしばしば大きめのものが使われる。
歌を担当する役を胴錘[dong4chui2]立回り役を架子花[jia4zihua1]と呼ぶ。
道化役。眉毛は短く、短いひげが描かれていることもある。体の動きもちょこまかとユーモラス。(写真は武丑)
武丑[wu3chou3]立ち回りをする道化役。顔に白の縦線。
文丑[wen2chou3]立ち回りをしない道化役。顔の中央を白く丸く塗る。
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