中国語/中国語アーカイブ

いろいろ楽しく中国語 京劇入門~京劇迷への第一歩~(4ページ目)

京劇を観たことがありますか?賑やかな音楽、華やかな衣装、優雅な中国語の台詞運び、軽やかな立ち回り…、そんな魅力満載の京劇について、基礎知識をご紹介します。今日からあなたも京劇迷!

執筆者:望月 愛生

■想像力を働かせるツボはココ!■

京劇は原則として舞台装置などを最小限に抑え、役者の肉体と声と演技の力でストーリーを引っ張っていきます。
ですから、観客は役者の体や小道具の動きから様々な場面を読み取り、想像力を働かせて鑑賞するのです。観客の想像力に委ねているからこそ、異次元の世界へ行ったり、険しい山から深い谷底まで瞬時に場面が転換したりなど、ストーリーが縦横無尽に展開することが可能なのです。

役者と一緒に観客も集中して、想像力を使って舞台を完成させる…それこそが京劇鑑賞の醍醐味と言えるでしょう。

役者の動作には約束事がありますので、それを覚えて想像力を働かせるツボをキャッチしましょう。

【動作の約束事】

屋内に入ってきた:
舞台に向かって左側、下手(しもて)から斜めに登場する

屋外にいる:
舞台下手からまっすぐ前に歩き、舞台前方で移動する

屋外から屋内へ:
中央に入り口があると見立てた動き(門をくぐる、扉を開けるなど)をする

目的地に到着した
役者がその場でくるりと一回転する

長旅を表現する時には、役者たちが舞台の上であちらこちらに蛇行したり、ぐるぐる迂回したりもします。そんな時は険しい山道やうっそうとした森の中を想像力で補完しながら役者の動きを追ってみましょう。

【小道具の約束事】

鞭(写真左):
馬を実際には登場させず、鞭の動きで馬に乗ることを表現する

肩越しに鞭を上げる:
馬を連れてきた(鞭を手綱と見立てた表現)

鞭の周りをまたぐ:馬に乗る

馬に乗ってしまった後は、鞭を揺らしたり、鞭を手首にかけたりなど、場面に応じ表現する。

西遊記では、鞭が随所に登場しました。馬に乗るのは三蔵法師だけですので、三蔵の手首に鞭がかけられている時は比較的平坦な道を移動、馬を引いているときは険しい山道、と情景が浮かんできます。
妖怪の本拠地に近づいたときは鞭の動きで、馬が怖がっている様子を表現していました。



INDEX
■登場人物は4パターン■
■衣装でわかる 主役・脇役■
■京劇の楽しみ方■
  • 前のページへ
  • 1
  • 3
  • 4
  • 5
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます