自分は初心者だから「基礎」を標榜している辞書ならば安心、という法則は必ずしも当てはまりません。自分のニーズをよく把握しましょう。
「基礎」を標榜している辞書のメリットは、なんといっても制作者の先生方が、初心者、基礎学習者にむけて丁寧に各語を解説してくれている点です。
その反面、収録されている語が基礎向けに厳選されていますので、自分の知りたい言葉が載っていないかもしれません。
中国語力が基礎段階にいる学習者でも、興味ある分野で必要な漢字が基礎レベルを超えている場合もあります。
例えば、中国小説や中国映画、香港映画が好きで中国語を始めた人は、早速自分の興味ある分野の情報を得よう、とりあえず中国語読みだけでも知りたい、という好奇心に、辞書が応えてくれない場合もありうるので、注意が必要です。
また、現時点での中国語力が基礎レベルであっても、大学の授業や語学学校などでコンスタントに勉強することが確定している人は、基礎レベルにこだわらず長く使えそうな辞書を購入することをおすすめします。最初は使いづらくても、すぐに実力が辞書に追いついてくるはずです。
●便利そうな辞書の落とし穴
1.携帯用の小さな辞書
本格的に勉強するわけではなく、趣味的に楽しみたいだけだから…という理由で、初心者が小さな携帯用の辞書を、初めての辞書として買うことはおすすめできません。
携帯用辞書は軽量化のために、情報を必要最小限に絞ってあります。中日辞典の成功法則である【引きやすい辞書=使いやすい索引】があてはまりません。
文字通り携帯用として、2冊め、3冊目の辞書として使うことをおすすめします。
2.電子辞書・CD-ROM辞書
便利そうに思われる電子辞書やCD-ROM辞書ですが、便利に使いこなすためにはある程度の中国語力が必要です。
また、便利に使いこなせたとしても、便利すぎてその場しのぎになり、記憶に残りにくいので中国語力をつけるのにはあまり向きません。
これらはある程度の中国語力を身につけた人が便利なツールとして使ったり、仕事でスピードを要求される人が使ったりするのにおすすめの辞書です。
初めての辞書にするのはやめておきましょう。
辞書は適宜、乗り換えよう
解説を読んでもしっくり来ないなぁ、なんだか物足りないなぁ、と思ったら、買い替え時です。今使っている辞書よりも収録語数の多いもの、各語の解説の中にたくさん熟語が載っている辞書に買い換えましょう。
中日辞典は、索引をひんぱんに使うので、索引のところから変色していきます。
そして、大抵の辞書は部首検字表が表紙の裏側に載っているため、表紙が剥がれたり、背表紙が割れたりして、うっかりすると簡単にバラバラになってしまいます。
お気に入りの辞書は、大切に扱いましょう~!
(…でも、ボロボロになった辞書は、自分だけの勲章かもしれませんね♪)
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