南北ファサードの上にも美しいステンドグラスに飾られた菊窓が色を添えている。 |
多くの参拝者や見学者は例外なく声をひそめ、ある者は祈り、ある者は感嘆し、このすばらしい造形を築き上げた信仰心と英知に息を呑みながら祭壇の方へと進んでゆきます。
高い高い天井、大きく開かれた窓から差し込む光、キャンドルと祈りの声。すべてが神聖な、神への祈りの場になくてはならない物。 |
荘厳でいて華麗、これぞゴシック
聖堂中央に進むに従って暗闇に目が慣れてきました。黒い縁取りと見えていた柱や天井を構成する石材が、地面から一つ一つ積み上げられ、せり合わされて組み立てられたものと分かり改めて驚かされるはずです。
頭上はるか上を仰ぎ見ると、がっしりとしたリブボールトが重量感のある石造りの天井を支えている。シャルトルより華麗で、アミアンより荘厳。三大ゴシックの中では中庸の美と言った所か。 |
目を凝らせて天井を見てみると、これまたはっきりと一個一個の石組みが見て取れます。それぞれの石は扇型の断面をしており、アーチとアーチの組み合わせてバランスを取り、最終的には地面に逃がすように考えられているんですね。そのために、室内からは分かりませんが、聖堂の外部にはフライングバットレスと呼ばれる大掛かりなアーチ受けの支えが設けられており、これがさらにゴシック建築を印象付ける良い意匠となっています。