フランス/フランスの観光・世界遺産

ランス、世界遺産の町(3ページ目)

ランスは町中が世界遺産だらけ。三大ゴシック大聖堂の一つノートルダム、サン・レミ教会、そしてトー宮殿。あの奇跡の少女、ジャンヌ・ダルクゆかりの地でもあるんです。

執筆者:赤木 滋生

上方に浮かび上がるあざやかなコンポジションに、入口から差し込む強烈な光のハレーションが重なり、めまいを覚えるような美しさです。

南北ファサードの上にも美しいステンドグラスに飾られた菊窓が色を添えている。
圧倒的に高い天井と長い長い身廊によって造り出された荘厳な空間。ずらりと並ぶ太い柱の連なりが、かなたにある祭壇までの距離をいやでも感じさせてくれます。小さな音も響き渡り、戻ってくる長い時間がその静けさを演出します。

多くの参拝者や見学者は例外なく声をひそめ、ある者は祈り、ある者は感嘆し、このすばらしい造形を築き上げた信仰心と英知に息を呑みながら祭壇の方へと進んでゆきます。


高い高い天井、大きく開かれた窓から差し込む光、キャンドルと祈りの声。すべてが神聖な、神への祈りの場になくてはならない物。
上空から眺めると十字架の形をした大聖堂には横棒に当たるところにもファサードが設けられています。身廊に差し込む尖塔アーチからの光の列が、ファサード上方にしつらえられた花びらのような華麗なステンドグラスのアクセントによってさらに荘厳さを増してゆきます。

荘厳でいて華麗、これぞゴシック


聖堂中央に進むに従って暗闇に目が慣れてきました。黒い縁取りと見えていた柱や天井を構成する石材が、地面から一つ一つ積み上げられ、せり合わされて組み立てられたものと分かり改めて驚かされるはずです。
頭上はるか上を仰ぎ見ると、がっしりとしたリブボールトが重量感のある石造りの天井を支えている。シャルトルより華麗で、アミアンより荘厳。三大ゴシックの中では中庸の美と言った所か。
こうして見ると太いと思っていた柱も全体の大きさや高さから見ればきわめて細く、しかも、クレーンも使えず鉄骨もなし。足場を組み、すべて人手で石を積み上げこれだけの空間を作り上げたなんて、とても信じられませんね。

目を凝らせて天井を見てみると、これまたはっきりと一個一個の石組みが見て取れます。それぞれの石は扇型の断面をしており、アーチとアーチの組み合わせてバランスを取り、最終的には地面に逃がすように考えられているんですね。そのために、室内からは分かりませんが、聖堂の外部にはフライングバットレスと呼ばれる大掛かりなアーチ受けの支えが設けられており、これがさらにゴシック建築を印象付ける良い意匠となっています。
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