フランス/フランスの観光・世界遺産

ランス、世界遺産の町(4ページ目)

ランスは町中が世界遺産だらけ。三大ゴシック大聖堂の一つノートルダム、サン・レミ教会、そしてトー宮殿。あの奇跡の少女、ジャンヌ・ダルクゆかりの地でもあるんです。

執筆者:赤木 滋生

中央を貫く身廊の左右に沿って、一段と天井の低い側廊が伸びていますが、こちらもやはり小さなアーチ天井で組み合わされ、身廊のアーチを支えています。高い大聖堂は下に行くに従って広く、複雑な構造になっているために、光が差し込まず、天井付近の明るさに比べると、礼拝席あたりが暗くなっています。
祭壇の向こうは東に面した3身一体を表す窓。青く輝くステンドグラスを良く見ると、そこにはシャガールのデザインが。これは、第一次大戦によりオリジナルのステンドグラスが破壊されたため、その代わりにはめ込まれたもの。
東側奥、突き当りには祭壇が設けられており、半円形に張り出した祭壇の背後には3枚の大きな尖塔型窓に色鮮やかなステンドグラスがはめ込まれています。この3枚という数にもちゃんと意味があって、キリスト教の教義、三位一体を表していますが、あれれ、この絵柄はどう見てもシャガール?

そうなんです。オリジナルは当然13世紀の作品であるべきなんですが、実はこのランス大聖堂は2度にわたる世界大戦でドイツ軍の攻撃を受け、大きく破壊されてしまいました。現在ここにある大聖堂は、戦後、多くの建築家、彫刻家はじめさまざまな技師、芸術家が駆けつけ、オリジナルに忠実に、瓦礫となった石材を組みなおし元の姿に復元していたものなんです。そんな訳で、残念ながら粉々に砕け散ったガラスまでは復元できず、シャガールの手によるステンドグラスに置き換えられました。これはこれで、なかなか良いものですね。
祭壇の後ろ側、東より望む大聖堂。堂々としたフライングバットレスで巨大なアーチを支えているのが分かる。左側はトー宮殿の庭の一部。


外に出て、東側も見てみましょうか。西側と違って、四方八方に伸びたフライングバットレスが高い天井を必死で支えている様子が良く分かります。バットレスを良く見ると柱から伸びたアーチであることが分かります。しかもランス大聖堂くらいの規模になると柱もアーチも2段になって、それぞれにこった装飾が施されていていかにも壮大な建築物であることが確認できるでしょう。
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