フランス/フランスの観光・世界遺産

若きウィドウ皇女マルゲリート、その愛の軌跡(後編) ブルー修道院、永遠の愛の証(4ページ目)

名門ハプスブルク家出身、薄幸の皇女マルゲリートが若くして失った最愛の夫フィリベールをしのび、永遠の愛を誓って完成させたブルー修道院。華麗なフランボヤンゴシックの美しい姿に秘められた悲恋の軌跡。

執筆者:赤木 滋生

二階は美術品展示室


回廊の柱には凝った彫刻が美しくも楽しい。ホルンを吹く天使や竜などさまざまな意匠がこらされている。
再び回廊に回ってみると、緻密で繊細な教会の彫刻群とはまた違った、ほっとするような天使や動物達の彫刻があちこちに彫り込んである事に気がつきました。それぞれのヴォールトを補強するリブの付け根を飾っている彫刻です。

マルゲリートの思惑は外れ、革命以後はここも修道院の役目は終わり、二人の愛の証をメンテナンスするはずの修道僧はいなくなりましたが、代わって市がメンテナンス、その後絵画や工芸品を展示し美術館として使うようになりました。

2階の美術品展示室から回廊を望む。古い古いガラス窓のゆがみにかえって趣がある。
現在も15世紀から現代にいたるまでのフランスやフランドルの絵画、工芸品、装飾品がたくさん展示されています。

中世から近世への過渡期にあたり、ルネサンスも間近にひかえてロマンチックな成り立ちと意外な国際性。絶対王朝の権力が後押しをして作り上げた悲恋の壮大なモニュメント。時代は変わり、もうこのようなものが作られることは二度とないに違いありません。
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