フランス/フランスの観光・世界遺産

若きウィドウ皇女マルゲリート、その愛の軌跡(後編) ブルー修道院、永遠の愛の証(2ページ目)

名門ハプスブルク家出身、薄幸の皇女マルゲリートが若くして失った最愛の夫フィリベールをしのび、永遠の愛を誓って完成させたブルー修道院。華麗なフランボヤンゴシックの美しい姿に秘められた悲恋の軌跡。

執筆者:赤木 滋生

中庭がたくさん


入口を入ってすぐの第一の中庭。すぐ左手に教会への入口がある。
中に入るとすぐに中庭とそれを囲む回廊に出ます。作りはあくまでシンプル。尖塔アーチのヴォールトが続きそれほどごてごてと飾り立てていません。とはいえロマネスクの回廊と比べると違いが良く分かります。明るく開放的でとっても軽ーい!



3つある中庭の内一番大きな2番目のもの。色合いは地味だけれど彫刻は繊細で華麗。
普通、修道院に回廊はひとつという所が多いんですが、このブルーにはさらに奥に大きな回廊がありその又奥にももう一つ、全部で3つもあるんです。それぞれの回廊を包み込むようにして部屋がめぐりかなり大規模な修道院であった事がうかがわれます。

さすがに3つもの回廊は他では見たことがありません。外部の人の立ち入りが許されたのは入口のある棟だけで、1階は集会や食事、図書など公共の場であり、修道僧たちは2階で寝ていたようです。

3つめの中庭は質素な造り。中央には井戸が掘られ、回廊では修道僧たちが静かにお勤めを行った。
3つめの回廊は他の2つとは違い質素な田舎造り。後から付け足されたものだそうです。床面積はすべて合わせると4000平方メートルもあり、約20人ほどの僧達がフランス革命まで暮らしていたそうです。ほとんどの修道院が近世になって破壊されましたが、幸いここは原型を壊すことなくほぼオリジナルのまま保存され、現在もしっかり管理されています。
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