ある侵入被害を受けた女性宅。隣人がスペアキーを隠し持っていた理由とは? 思いがけないところに潜んでいた侵入被害の原因。誰にでも起こりえる恐怖の実情…。
ある侵入被害
自宅の鍵の合鍵の存在は? |
まるでホラーのような事件ですが、実は誰にでも起きるかもしれないことでもあります。容疑者の女(34歳)は、約1年前にリフォーム中だったこの女性の部屋の合鍵を、工事業者が郵便受けに入れておいたのを勝手に持ち出してスペアキーを作成していたのです。特に集合住宅などでは、リフォーム工事などで複数の業者が出入りするといったことがあり、その部屋の鍵を郵便受けに入れておくということは、常套手段とでもいえるほどよくあることだといえるでしょう。
自宅の鍵が大家さんや管理人、管理会社の人たちが持っているという点はいたしかたないとしても、自分の住まいの鍵が他所にもある、ということは「侵入被害」の危険性があり得るということになります。過去には、部屋の案内をした不動産の仲介業者に侵入されて女子大生が殺害された事件もありました。別れた交際相手がスペアキーを持ったままで、侵入されるような事件も起きています。この先、春の引越シーズンとなりますが、その際にスペアキー=合鍵の存在について確認しておくことは非常に重要なことです。
鍵は命を守る鍵!
言うまでもなく自宅の鍵は「命と財産」を守るためのものです。他人に預けたりはしないものですが、自分の知らないところでスペアキーが存在しているとしたら、考えただけでも恐ろしいことではないでしょうか。上記の事件では、発覚したその日だけたまたま侵入していたのでしょうか? 隣の部屋ですから、物音で隣人が帰宅したり外出したりする様子は筒抜けだったでしょう。24日は土曜日ですから、深夜を回っても隣が帰宅していないことを分かっていたので、侵入したのでしょう。とりあえず携帯電話を充電しておいて自宅に戻っていたところ、午前3時過ぎに物音で女性が帰宅したことが分かって、ヤバイと思って許してもらおうと思ってもそうはいきません。女は今回だけ初めて侵入したのでしょうか? 予断は許されませんが、スペアキーを持っており、隣の状況が分かる条件下にあるわけですから、これまでにも侵入を繰り返していたおそれもあります。
自分の知らない間に知らない人物に自宅に侵入されていたら……とは、想像することすらいやなことですが、どこかに合鍵がある以上は、絶対に無い、とは言い切れないでしょう。最初に部屋を借りたときに「合鍵はどこにどれだけありますか?」とたずねていたでしょうか? たとえば、玄関の下足入れの上に置き放しておいて、玄関ドアを開けたまま、近所のコンビニやゴミ出し、郵便取りに数分間であっても、出かけたことはないでしょうか?
彼氏や彼女に遊びに来てもらうときに、「郵便受けの中に鍵を入れておくから、先に入っていて」などとしたことはないでしょうか? 「郵便受け」は金庫ではありません。ましてや、鍵をかけずにいたら、不特定多数の誰もが手を伸ばすことができ、中身を取り出すことができるのです。郵便受けには錠前が付いているはずです。鍵をかける必要があるからです。命と財産を預ける自宅の鍵を「置き鍵」することは侵入被害を招く危険性があると知っておきましょう。
なお、工事業者の人たちには今後は鍵の取り扱いを慎重にしてもらいたいものです。まかり間違えば、人の命にすら関わってくる問題なのだと真剣に考えておくべき事柄なのです。合鍵の危険性についてはこちらの防犯ガイド記事こんなに危ない「合鍵」の存在をあわせてぜひご覧ください。
■あなたの一票/「郵便受け」に自宅の鍵を入れておいたことはありますか?
投票は終了しました。結果は、あなたの一票【過去の一覧】でご覧下さい。
■関連防犯ガイド記事
・こんなに危ない「合鍵」の存在
・車は金庫じゃありません
・泥棒さん、いらっしゃい
・侵入強姦被害を防ぐ知識と智恵
・窓からの恐い夢~前編
・窓からの恐い夢~後編