防犯/防犯小説

愛の迷宮… 愛と故意のラビリンス?第1回(2ページ目)

【全6回】32歳の会社員・逸美が男性との出会いを求めて行動する。そこで出会った運命の男と交際を始めるが、愛の苦悩と葛藤に身をやつす。逸美の愛はどこへ向かうのか?

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

女友だち

私だって幸せになりたい…
私だって幸せになりたい…
職場では真面目な仕事ぶりを評価されており、会社になくてはならない存在として一目置かれている。これまでに自分を高めようと、英会話、料理、エアロビクス、スキューバダイビング、陶芸などの教室にも通ってきた。どれも一通りこなすと次の習い事へとチャレンジしてきた。結局、仕事で英語を使うこともなく、料理もひとり暮らしの自分の分だけで、張り合いがない。その時にできた友人とは適当につき合っていたが、趣味から離れると共通の話題がなくなり自然に疎遠になってきた。

恋人がいるのかとか、結婚の予定とかを聞かれることもない。セクハラに敏感な職場なのだ。だが、32歳を過ぎてから、同じく未婚だった学生時代からの親しい友人が結婚した。「子どもが学校に上がって、あまり老けた親だと子どもがかわいそうじゃない」と、真顔で結婚を報告されたときに、何かイヤな気分がした。32歳で子どもができたから結婚するなんて、みっともないと思った。だが、「結婚したもの勝ち」とでも言おうか、結婚してしまった女ともだちは皆、妙に落ち着いてしまう。

「仕事は子育てから手が放れたらまた戻るつもり」と、育児に専念することを宣言して満足げに微笑む友人に、「仕事はやっぱりしていたほうがいいわよね」とだけ答えて、どうしても表情が硬くなってしまった。「あなたも早くいい人を見つけて」「うん。ありがとう」とは言ったものの、(どこにいい人がいるのよ~)と内心ではいらついていた。

(男を見つけたい。ううん。結婚したいかも)焦りはいよいよ募(つの)ってきた。(このまま仕事を続けるのはいいとしても、やはり子どもだって生みたい。確かに、あまり親が老けていると子どもはかわいそうかもしれないし。35歳までに一人は生んでおきたい。急がないと…)だからといって、見合い話を持ってきてくれるような親ではなかった。会社の上司に頼むわけにもいかない。自分で見つけるしかないのだ。だが、どうやって? 

出会い系サイトなんて危険過ぎる。学校時代の先輩とかに頼むというのもいやだ。会社の取引先にもこれと言ってピンとくる人もいない。「合コン」といっても、周りにそんなことを世話するような人もいないし、30歳過ぎて合コンもないだろう。じりじりと考えていたときに、雑誌で「お見合いパーティ」というものがあることを知った。

インターネットで調べてみると、かなり色々あった。「結婚仲介業」という業種があるとは知らなかった。だが考えてみると、昔から仲人というものがあり、結婚を世話してくれる人がいるというシステムがあるのだ。逸美は(コレだっ!)と思った。互いに結婚の意思がある人たちが集まるのだし、素性にも嘘はないだろう。これなら誰にも知られずに男と知り合える。さっそくチェックしてみた。


→男選び……p.3
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