クローン携帯は本当にある?
相談調査部・水越智子さん |
時々、相談者の中に、「クローン携帯」が使われて、利用料金がこんなに高額になってしまったんじゃないか、という方もいらっしゃるのですが、よく調べてみると本人や家族などが使っているんですよね。
――するとこれまで、「クローン携帯」じゃないか、と言って相談に来られた方々は、全部のケースがやはり、自分か身内で使っていたということになりますか。
最後まで「自分は使っていない」という方もいらっしゃるんですが、どうしても記録が残っている以上、「使っていない」という証明をすることは難しいです。ですから、それで「実際に使っていないのに、料金請求が来た」ということは突きとめようがないというか…。中には裁判までしてもいいから支払わない、という方もいらっしゃいますけれども。
――しかし、記録が残っている以上、本人が意識していなくても自分か誰かが使っていたということになりますよね。
アダルトサイトや出会い系サイトで「クローン携帯」じゃないか、という苦情を言う人はあまりいなくて、「通話料」や「パケット料」での「クローン携帯」じゃないのかという方が多いです。やはり最近のトラブルの傾向としては、「ワンクリック」が多いです。まったく身に覚えのない架空請求をのぞくと、ほとんど「ワンクリック」ですね。
――これを未然に防ぐというのは、もうクリックするなということしかないですか。
ええ。未然に防止するにはクリックしないことしかありません。実際にやってしまったとしても、振り込んだりしないで、支払う必要はないということです。画面によっても違いますが、トラブルになっている多くは、「有料」ということがわからないでクリックしてしまっているので。
それから、一度払ってしまった方で、「退会ができていないから」ということで、次々に請求が来てしまうケースはありますね。やはり、払ってしまうような方に請求が行くようです。
――その場合も、悪徳リフォーム商法のように、「次々商法」になるのでしょうか(笑)。「クローン携帯」については、「パケット通信料」と「通話料」と、どちらの相談が多いですか?
どちらかといえば、「パケット通信料」の方が多いように思います。防止策としては、パケットの「定額制」を利用することです。後は、「料金」の定額制もありますし、一定通知のお知らせサービスを使うとかするといいですね。
――携帯電話から、電話番号以外は個人情報が漏れるということはないんですよね?
個体識別番号とかIPアドレスとかがわかっても心配する必要はありません。それから、「出会い系サイト」などで、自分で入力してしまった場合ですね。「メール交換」をするような出会い系サイトだと、メールアドレスを登録してしまっているので、メールアドレスを知られるということはあります。