防犯/防犯関連情報

音の犯罪捜査官が語る防犯 Vol.3(3ページ目)

アリバイ作りのために音を操作することは可能か? 住宅の防犯対策に有効な「防犯砂利」とは? さらに騒音トラブルの八割は騒音ではないという意外な点などお役立ち情報が満載です。

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

衝撃音が気になる

建物によって騒音も違う
建物によって騒音も違う
家具の後ろに毛布などを一枚かけるだけでもかなり違いますよ。天井からの音、これはダメですね。もう建物の問題ですから。あとは、音の種類によるということです。

たとえば、今こちらで流しているサーッという音は気にならないものなんです。ところが、
(ペン立てからハサミを取り出してテーブルを軽くコツンコツンと叩いて)こういう音というのは人間が、いや動物が一番イヤな音「衝撃音」です。

たとえば、カラスを追いやるために銃の音とか花火の音とか出しますよね。動物が嫌う音なんです。で、こういう音は騒音計で測っても出てきません。瞬間的な音ですから。騒音計というのはある時間の音を取り込んで、積分してその値を出すんですね。ある時間の幅の中でした音を測るので、瞬間的な衝撃音は平均されて数字には出てこなくなるんです。



――電車の中などでも音楽を聴いてリズムを取りながら、指でタッタッタと硬いところを叩く人がいるんですが、あれはものすごくイライラします。そういうことなんですね。下手するとそういう音で殺人事件をも招きかねないですよね。


そうですね。たとえば、電車が通る音は、車輪とレールの衝突音の連続ですから、あまりいい音じゃないですよね。


音に慣れる

――日本の住宅事情では、電車の通るすぐそばに住んでいる人がけっこう多くて、そういう人たちに聞くと意外と気にならないと言うのですが。


それは「慣れ」ですよ。もし自宅の階上からあれと同じ音がしたら大変ですよ。電車だからというあきらめでしょう。「踏み切り」もそうです。あの「カンカンカン」という衝撃音も本当はとてもイヤな音ですが、あきらめて慣れるんです。


――電車だと時刻表があって、わりと時間通りに運行されるので、予測ができるというか心構えができるということでしょうか。


こちらの研究員の自宅が以前は大型トラックのよく通る、しかもカーブでエンジンを吹かす場所のすぐそばに住んでいたんですが、そういう音は全然気にならないで寝ていたんです。ですが、庭の落ち葉の上を彼の祖母が歩いただけで、ハッと目が覚めたということがありました。音のレベルは全然違うのにです。音の認識をしているということです。


――へぇ~。では、寝ていても潜在意識の中で音を聞き分けているということ…


たとえば私の家では、誰か人が玄関のところに来ればカランコロンと音がするんです。ところが朝の新聞配達の人が来ますよね。これは全然気にならないんです。音源の正体がわかっているということでしょうね。おそらく起きるのでしょうが、あ、新聞配達だと分かって寝てしまう。で覚えていないということでしょう。


――なるほど。とても興味深いお話です。今日は色々とお話を伺ってきましたが、住宅の防音対策をしようとしたときに業者さんに依頼する際、こちらの日本音響研究所さんのホームページでもリンクされていますが、何か探すコツというのはありますでしょうか?

  • →騒音被害の八割は騒音ではない!?/関連サイト・関連ガイド記事……p.4
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