携帯電話の着信記録や、固定電話(一般回線)のナンバーディスプレーの着信記録の電話番号にうっかり「番号通知」のまま電話してしまうと…ある日突然、恐ろしげな電話がかかってくることがあるようです。
それはまともな請求とはまったく違い、むしろ脅して金を払わせようという「恐喝~(隠語でカツアゲ)」ともいえるものです。
【相談メール】
うっかりワン切りの着信番号にコールバックしてしまい、「○○△△です・・・」という音声が流れてきてしばらく聞いているとなにやら、ツーショットダイヤルにつながってしまいました。
あわてて切ったのですが、利用料金500円というアナウンスが流れ、不安になっていました。
一ヶ月ほどして、その会社の者だという人から電話があり、料金未払いと遅延料金を併せて、40,000円払ってくださいという請求がありました。
あちらの言い分は、すでに会員登録されていて、○月○日にこれだけ利用されています。このまま払われませんと弁護士を通して、請求がいくようになります・・・・・。という事でした。
厳しい取り立てがあるといううわさもあるので、とても不安です。
このような場合、支払いの義務はあるのでしょうか?
【お答え】
支払い義務はありません。
だいたい、間違ってかけてしまったものに「金を払え」ということはおかしい、と思いましょう。なにより元々は先方が勝手にこちらにかけて番号を残しただけです。
「料金加算システム」は各業者がそれぞれ自由に設定して運営しているものですから、電話会社の責任の範囲ではありません。普通は客も料金を了解した上で利用するものです。基本的には「電話をかけたこちらの通話料金しか発生していない」のです。電話を受けた側は「電話を受けただけ」で、費用はかからないのは通常の電話利用の通話と同じです。
それを「利用したから金を払え」というのは、まさに悪質行為です。もし、こちらが「番号非通知」にしてかけていたり、公衆電話からかけていたとしたら? 請求のしようもないではありませんか。こちらは自分の電話を使って、「間違って」かけてしまったのであって、しかもその電話料金はこちらが負担しているのです。
先方はうっかり「番号通知」で電話をかけてしまった人に、「脅せば金を払うだろう」ということで電話をかけてきているのです。
「料金未払い」といっても、最初の請求もありません。だいたい、「料金」というのは先方が勝手に設定したものであって、1分間100円だとか200円だとかは普通のツーショットダイヤルやアダルト番組の規定料金と思われますが、「これから先を聞いたら1分につきいくらをいただきます」という案内もなければ、登録の手順も知らされていないようです。
「値段のわからないもの」を買う人はいないように、「料金のわからないもの」を好んで利用する人はいないでしょう。しかし、「ぼったくり」という悪質行為が横行しているように、「えっ、なんでこれで料金が発生するの?」というようなことを平気でするような人物や業者がいるということを知っておくことが必要です。