週末や、地域によっては祭りの時期など暴走族の暴走行為は一般市民にとって多大な迷惑となっています。改造車両やバイクなどで騒音をまき散らしながらの暴走行為は、音の問題だけでなく交通の妨害でもあります。
ところかまわず滅茶苦茶に走ったり、二人乗りどころか3人も4人もバイクに乗ったり、ジグザグ運転、料金所の走り抜け、金属バットや竹槍のようなものを振り回したり、大きな旗をはためかせたり、奇声をあげたり、踊ったり騒いだりと傍若無人なふるまいです。
当の暴走族はナンバープレートの取り外し、車両の違法改造など、また迷惑な走行などで暴走行為取締りの対象になるのですが、その周辺にいてあおるだけの「期待族」を取り締まる条例はありませんでした。
兵庫県姫路市ではこの数年、週末や祭りの時期を中心に、暴走族を見物する若者らと警官らとの小競り合いがたびたび発生しており、同市では2000年9月に「姫路市民等の安全と安心を推進する条例」案が提案されていたのですが、「禁止行為の判断基準があいまいで、無関係な人が対象にされるおそれがある」といった意見が大半を占めたので一度は取り下げとなっていました。
しかし、具体的な禁止内容を盛り込むなどして再提案され、この3月27日に同市議会で可決され成立しました。
13条の条例の中で、第9条の罰則規定=5万円以下の罰金の対象となる区域を審議する協議会を4月には発足させます。この答申を受けて、堀川和洋市長が「重点禁止区域」を指定し、罰則規定のみ6月1日から適用されることになりました。
今回の再提案では「期待族」の禁止行為が下記の5つの行為に限定されるなど、内容が具体化しています。
・声援
・拍手
・手振り
・身振り
・旗を振る
このような行為をすれば、「期待族」とみなされるわけです。
一般市民は暴走族のたまっている場所、暴走行為のある場所など、巻き添えを食わないように日頃から避けていることでしょうが、間違っても上記のような行為をしてはいけません。とくにお祭りのときなど人々のテンションは高くなっています。近づかないよう、関わらないように注意しましょう。
十代から二十代の若者らの暴走行為は、「若いときしかできないからやる」「はしかのようなもの」など、彼らからすれば正当な理由があるかのように言いますし、家庭の事情や怠学などからグループで行う「うさ晴らし」に走るのは「淋しいから」とも言われますが、やはり他人に迷惑をかけるという許されざる行為です。
子供の行動内容、服装、交友関係などをよく把握して、間違った行為に走らないように気をつけてあげるのは保護者をはじめとする周囲の大人の責任でもあります。暴走行為、見物期待行為のどちらもすることがないように年頃の子供には注意が必要です。
姫路市のこの条例が全国で初めて制定されたことを受けて、全国各地の自治体が今後、同様の条例の制定にむけて動き出すことも予想されます。姫路市の取り組みと今後の動きに注目しましょう。
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