非常ベルの「誤報」
ビルなどで異常がないのに非常ベルが鳴って警報を発する、いわゆる「誤報」というケースが起こることがあります。煙探知や電気系統などなんらかのトラブルによる場合が多く、実際には被害がないのでほっとするのですが、やはりあの非常ベルの音は人を不安にさせるものです。いざ本当に非常事態のときに(ああ、またか)と避難を遅らせることになっては大変です。とくに古いビルなどでは設備の管理が重要です。
住宅等で使用するブザーやアラームでも「誤報」はよく発生します。侵入者を関知するセンサーで、猫が通っただけで反応してしまい、あまりたびたび警報が鳴るのでせっかく取り付けたのにスイッチをオフにしておいたら泥棒に入られた、など笑えない話もあります。
これは装置の感度がよすぎて起こるケースです。設備にも、スイッチを切っていた自分にも腹が立つというものでしょう。また装置をセットしていたのを忘れてドアや窓を自分で開けて音を出してしまうというケースも多いようです。
最近では改善されて人間だけに反応する「人体を関知する」センサーというものが出ています。選ぶ際には住宅の周辺状況をよく考えて設置場所を決めるなど、購入前に防犯用品も場所もしっかりと調査するようにしましょう。そして慣れるまでは装置をセットしてスイッチがオンになっていることを忘れないようにドアや窓の内側に「アラームセット中」と書いた紙を貼っておくと失敗が防げます。
防犯ブザーを責めないで
個人が携帯する防犯ブザーは、「うっかりスイッチが入ってしまった」「ストッパー(絶縁板)がなにかの拍子ではずれて鳴ってしまった」また、知らずに(これ何?)とひもを引っ張ってしまい音に驚いたが止め方がわからないので踏みつけたりハンマーで壊して止めた、などというこれも笑えない話がよくあるのです。
理不尽にも(なに、このブザー)とブザーを責める人もいるようですが、これらはブザーの取り扱い方をよく知らずに起こるケースです。自分に腹を立ててもブザーに腹を立ててはいけません。
電池が取り外しできるタイプなら取り外して練習しておくとよいでしょう。また、襲撃されたときに「持ってはいたけどバッグに入れたままでした」 では無意味です。使用方法、取り扱い方をよく理解して、いざというときに間違いなく使えるよう、夜道を歩くときなど危険が予測される状況下では必ず手に持っているようにしましょう。
防犯グッズはあくまでも「モノ」であり、その価値と効果は人間が正しく利用して初めて活かされるものです。腹を立てるものではなく役に立つようにするのはあなたなのです。
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