掃除の仕方……3つのステップで誰でも片付けられる
かつて「汚部屋住人」だったガイドによる、汚部屋の片付け方をご紹介します
遊びに来た友人から恐れられ、同居の家族から忌み嫌われるなど、気合の入った汚部屋に住んでいるアナタ。もはや「その部屋、何かが"棲んでる"んじゃないの!?」という勢いだし、「片付けろ!」「掃除しろ!」と人から言われたところで「いったいドコから手をつけたらいーの?一番途方にくれているのは自分なんだけど……」となっていたりして。
でもでも。今、せっかくの大掃除シーズンですし、ここはいっちょ、汚部屋を脱出しちゃいませんか!?
無法地帯な子ども部屋、家族未踏襲のだんなの書斎、かつて子どもだった大人部屋、何があるかもう訳のわからない納戸、魔窟と化しているリビング、寝室などなど……あらゆる住まいを3つのステップで誰でも片付けられる方法をご紹介します。
なにせ「脱・ずぼら!」なんて編集氏に銘打たれてしまった本を書いた、かつての汚部屋住人提唱の方法ですから、効きますよ!
ステップ1:まずは足の踏み場を作ろう
「足の踏み場」を作りましょう。そうです。まず手をつけなければならない問題は、その部屋に「足の踏み場」がないことです。「足の踏み場」を作りましょう。そのために必要なのは、床の上に落ちているものを速やかにまとめることです。
【用意するもの】
- 45リットルゴミ袋(2枚重ねにセッティングしておく。少なくとも50枚程度は用意しておいたほうがいい)
- 掃除機
- 雑巾
- ミカン箱程度の段ボール箱(あれば)
【手順】
1:床上に落ちているものをざっと見渡して、材質・性質ごとのかたまりを作る
- 明らかなるゴミ(スナック菓子などの空袋やコンビニのレジ袋、使用済み割り箸や使用済みティッシュなど)
- CDやDVDやブルーレイディスク(ケースと中身がバラバラに散乱しているものすべて)
- 電気コードや充電器
- いわゆる「家電」(電動髭剃りやドライヤー、ホットカーラーなども含む)
- 化粧品(コットンや海綿なども含む)
- 布(脱ぎっ放しの上着や下着や使用済みタオルなど)
- 紙(コミック、雑誌、新聞など)
2:かたまりで「大物・量の多いもの」から順に「2枚重ねにした45リットルゴミ袋」の中へ放り込んでいく
ゴミ袋には入れますが「即ゴミ」にするわけではないので、恐れずいきましょう。「本、雑誌、新聞類」はゴミ袋よりも段ボール箱のほうがいいでしょう(穴が開いてしまうため)。同様に、とりわけ重さのあるもの(トレーニング用のダンベルなど)も、ゴミ袋よりも段ボール箱のほうが適しています。フトンや毛布は別にたたんで置いておきましょう。
3:とにかくゴミ袋の居並ぶ風景になるまで、放り込みまくる
床の上にものがバラバラに散乱している状態を解消することで、足の踏み場が発生します。
4:わずかでも覗いた「床面」には、すぐに掃除機をかける
汚部屋の床が畳やカーペットの場合、掃除機が不可欠。なるべく吸引力の高いもので
ただし、「床」が畳やカーペット(じゅうたん)の場合には、掃除機は不可欠です。汚れを溜めてしまっている以上、なるべく吸引力の強いタイプのほうが良いでしょう。ペットがいる場合も同様です(抜け毛の問題もありますし、ダニ繁殖リスクが高いためです)。
ステップ2:床の次は棚掃除へ!
棚に「隙間」を作りましょう。部屋の中に「足の踏み場」ができ、動き回ることが可能になりました。次の段階に進みましょう。
【手順】
1:収納スペース、棚などに入っている「本来入れるべきではないのに無造作に突っ込まれているもの」を引っ張り出して、床同様に分類する
もちろん、ついでに棚のナカミ全般に対してこの分類を行ってしまっても構いません。
2:棚面を拭く
「隙」あらばモノを詰め込んでしまいたくなる、その貧乏性が部屋を汚くする!……のはわかっているんだけど、なかなか脱却できない! ならせめて、棚の隙間に突っ込んでしまった「後から入れたもの」だけでも脇にどけて
ただ、床の場合、うっかりすると黒いツブツブなゴミ(と見えて、ゴキブリの糞!)や、何か昆虫の屍骸と遭遇する確率が高いのですが、そういうものを拭いてしまった雑巾は即、ゴミとして捨ててしまったほうが衛生的です。これは覚えておいてください。
ステップ3:思い切って「捨てよう」
もったいなくない。「ゴミ」は誰も欲しがらない。←呪文。部屋の中を見渡してください。そこに累々と居並ぶゴミ袋、しかしその光景はかつての爆発ゴミ不法魔窟空間に比べればはるかに清浄な空気に満たされたものであるはずです。それは少なくとも、床面に積もったホコリや虫の屍骸が清掃された証拠。棚上に積もり、何かの折には自分に落ちてきていたホコリがなくなった証拠に他なりません。
さぁいよいよ、勢いに任せて野放図に放り込んだ「モノ」と再会する時が来ました。しかしここで情にほだされて、ゴミを再度部屋に撒き散らしては元の木阿弥。「モノ」との再会は「勿体ないオバケ」との決闘の刻でもあるのです!
1:まず「明らかなるゴミ」を捨てる
先ほど放り込んだゴミ袋のうち、まず「明らかなるゴミ(スナック菓子などの空袋やコンビニのレジ袋、使用済み割り箸や使用済みティッシュなど)」は、「燃えるゴミ」「燃えないゴミ」「資源ゴミ」など、住んでいる自治体のゴミ分別ルールに従って選り分けてから、即捨ててください。速攻です。
2:次に「紙」のうち、新聞・雑誌を捨てる
次に「紙」のうち、新聞・雑誌はひもでくくります。これも直近の「資源ゴミ」の日に捨てます。空段ボール箱などがある場合にも、つぶしてまとめておいて、同時に捨てましょう。
3:「布」は洗濯するか、捨てるかする
「布」はゴミ袋ごと洗面所に持ち込み、早晩洗濯して干しましょう。しかし洗濯が面倒くさすぎる・ゴミ袋に入れた時点でなんとなく着る気が萎えた、などの場合には、思いきりよく「燃えるゴミ」の日に捨ててしまうのも一手です。
4:その他は、使うべき場所に戻す
「電気コードや充電器」やいわゆる「家電」、「化粧品」の片付けです。たとえばドライヤーや髭剃りなら、洗面所あたりが妥当でしょうか。携帯の充電器ならベッドの近くが便利だったりしますね。なくすと面倒なものなので、この機会に定位置を決めるのが一番です。
CDやDVDやブルーレイディスクは、大切なら、時間を見つけてはゴミ袋から救い上げ、本来の収納部分(パソコン周りなど)に戻すべきですが、ゴミ袋に入れたまま1カ月、2カ月と経過してしまうようなら「その程度」の必要性だったと割り切るのも正解です。「燃えないゴミ」にして出してしまってもいいということです。
部屋をきれいにする最大のチャンスかつ最強の技は「引っ越し」なのです。あの、何もない部屋と対峙したときに感じる清々しさが、最良のクスリなのですが……
でもそれは「時に」。そう、時と場合によっては異なります。
少なくともあなたの汚部屋を前にしては、全く正しくありません。「もったいない」?「誰かが使えるかも」? いいえ、ゴミをもらって喜ぶ人など本当は誰もいません! 喜んでいるように見えるとしたら「喜んでいるフリ」をしてくれているだけです。「ゴミをもらってくれる」のは、言ってみれば愛、ボランティアの一種なのです。捨ててあげたほうが相手のためなのです。少なくとも今はそう思ってください。
捨てながら、何ともいえない不快感や罪悪感に襲われている自分を発見したなら、私は祝福します。なぜなら、それはあなたが汚部屋を卒業するために必要な単位をもう少しで取り終えるサインなのですから。
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