毛穴もお肌と同じようにターンオーバーする!
毛穴とその周辺の断面図 |
漏斗部の表面は「表皮」と呼ばれ、お肌と同じように角質がターンオーバーしてはがれていきます。はがれた角質は皮脂と混ざり合い、毛髪の周りにくっつきます。これが筒状になり、まるでマカロニのようになります。
恐怖! 角栓様物質があなたの毛穴をふさいでいる!
左:毛髪の周りに角質がついた状態 右:塊となり毛穴をふさぐ角栓様物質 <写真提供:バイオテック> |
角栓様物質が完全に毛穴をふさいでしまうと、皮脂が分泌されても外に排出されなくなってしまいます。毛穴の内部にどんどん皮脂がたまり、炎症など頭皮トラブルの原因となってしまいます。
この角栓様物質については、私ども皮膚臨床薬理研究所とバイオテックが自社の育毛の効果を検証している際に発見、角質が毛穴に栓をするような物質であることから、このように命名しました。
冬は毛穴がつまりやすい季節
毛穴のつまりは、皮脂が過剰に分泌される時だけでなく、皮脂が出ていない状態でも起こります。また、気温が高い時期は、頭皮の汚れが浮き上がりやすいのですが、気温が低下すると皮脂の流動性が落ちるため、毛穴がつまりやすくなります。合わせて体温の低下を防ぐため、毛穴の周りの立毛筋(りつもうきん)が緊張して毛穴をふさぎ、毛穴の内部を圧迫して、皮脂がしぼりだされてしまいます。よって、冬の方が毛穴がつまりやすい、と言えます。怖いのは、常在菌より一時菌
毛穴の中や周囲には、常在菌と一時菌が存在しています。常在菌の主な種類は、表皮ブドウ球菌、アクネ菌、黄色ブドウ球菌の3つ。繁殖し過ぎると、炎症を引き起こす原因となります。ただ、常在菌の中には、表皮ブドウ球菌のように脂を分解してくれる性質を持つ良い菌もあります。シャンプーの回数が多すぎると、この良い菌まで洗い流してしまうことになるので、注意が必要です。常在菌よりも怖いのが一時菌。連鎖状球菌、大腸菌、枯草(こそう)菌、緑膿(りょくのう)菌などの種類があります。毛穴がつまると、内部や周囲で一時菌が繁殖し、かゆみ・痛み・化膿を引き起こす原因となります。
しかし、この一時菌は洗えば流れ落ちていきます。頭皮に弱いかゆみを感じた時は、一時菌が繁殖を始めた状態。このような場合は、いつもよりも丁寧にシャンプーし、一時菌を洗い流しましょう。
次ページでは、自宅でできる「毛穴ケア」をご紹介します。