スライドスイッチで手軽に撮影
実際に使ってみるとわかるのが、スライドスイッチの使い勝手のよさだ。起動速度は2秒強ていどと、昨今のコンパクト型のものとしてはごくフツーのレベルのものだ。
遅くはないが、けっして速くはない。
しかし、スライドスイッチであるために本体を手にした瞬間にスイッチを入れることができるのが強みとなっている。
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これが通常のスイッチのものであると、かばんなどから出す⇒手にする⇒スイッチを押す⇒構えるというステップを要するのだが、スライドスイッチであれば取り出した時点で構えに入りつつスイッチを入れることができるのだ。
というわけで、感覚的な起動時間という意味では非常に軽快だ。
ただ、やや気になったのはバッグなどに入れたままでも、スイッチが簡単に入ってしまうことだ。
不意に電源が入ってしまうと沈胴式レンズがせり出てきてしまうため、故障の原因にもなりかねない。
一度などは撮影中に自販機で飲み物を買うために、「まあ、ちょっとだけだから」と思ってジーンズの尻ポケットにF440を入れたのだが、これが大失敗となった。
尻ポケットから出そうとしたときにポケットの縁にスライドスイッチが引っかかり、スイッチが入ってしまったのだ。
幸い、レンズが外向きでかつすでにレンズ部分がポケットから出ていたために大過はなかったのだが。
やや機動力は損なわれるが、専用のソフトケースを同時に購入しておいたほうがいいかもしれない。
実際に使ってみると?
さて、前述したように連写機能は大幅にオミットされてしまっている。1枚撮影すると次の撮影までに2秒ていどかかってしまう。
ただ、実際にはさほどのストレスもなく撮影はできる。
快適な連写性能……とはとてもいえないが、そこそこ気持ちよくは撮影できるはずだ。
ただし、最新機種にしてはシャッターラグが大きいことも挙げておくべきだろう。
シャッターを半押ししてピントを合わせていても1秒弱ほどのレリーズラグが生じてしまうのだ。
これによって動きのあるもの(接岸しようとする水上バスですら!)が撮影しづらかった。
そしてなによりも厳しいのが、F5.5というテレ端での絞りだ。
基本ISOが80と低くなっているため、テレ端では手ぶれが頻出することとなってしまう。
それでなくとも小型で軽いデジタルカメラなので、ホールディングがしっかりできないことも多い。
ネックストラップを使うなどして、手ぶれを予防していただきたい。
・連写性能はやや弱め
・レリーズラグが1秒弱ほど存在する
・テレ端でレンズが暗いため、手ブレが出がち
実際の撮影の際には、これらの点に対して充分な注意が必要となるだろう。
また、ワイド端で9cm、テレ端で39cmとややマクロ撮影の性能がやや弱いのが気になった。
しかし、これまでのFinePixはほとんどワイド端固定であったので、ズームが使えるようになったという点に関しては進化しているといえるだろう。
もうひとつ、液晶の視認性にはやや不安が残った。
この季節の日中屋外かつ炎天下で利用したせいもあるだろうが、ディスプレイに影が落ちるようにしても、液晶ディスプレイを見ながらの撮影ができなかったのだ。
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これは出荷状態では液晶の輝度がやや低めに設定されていることに起因しているようだ。
消費電力との兼ね合いもあるが、日中の屋外では液晶の輝度設定を高めにしたほうが撮りやすいだろう。
そして肝心の画質であるが、少し意外な結果が出た。
(Page3へ)
・Page1 手のひらサイズに生まれ変わった
・Page2 スライドスイッチの良し悪し
・Page3 FinePix的でないFinePix
・Page4 FinePix F440/F450 実写画像&スペック
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