航空券/航空券関連情報

旅客機ができるまで何年かかる?(7ページ目)

旅客機ができるまで、何年かかるんですか? 私のもとに、よくそんな質問も届きます。そこで今回の「業界研究シリーズ」は、新型機の開発が計画されてから完成するまでの“プロセス”について考えてみました。

執筆者:秋本 俊二

最初の開発計画は90年代初めに浮上


さて、そろそろ最初の質問に戻りましょう。旅客機ができるまで、では、いったい何年かかるのか?

エアバスA380を例にとると、エアバス社が綿密なマーケット分析を行った結果、21世紀にはそれまで最大だった“ジャンボ機”ボーイング747-400に代わる超大型機が必要になるとの確信を得てその作業を本格化させたのは、1990年代の初めでした。

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1990年代の初めにジャンボ機に代わる超大型機の青写真が描かれた (C)Airbus

747-400の1.5~2倍の収容力を有しながら、747-400と同等の航続距離性能をもつ──そんな大型機の開発計画について具体的な検討が始めたのが、1992年。機体の形状などについて、社員たちからさまざまなアイデアとプランが出されます。しかし超大型機といえども、現在ある世界の空港施設に適合させなければ実際に飛ばすことはできません。エンジニアやスタッフたちの知恵を結集して詳細を詰めた結果、全長と全幅をそれぞれ80メートル以内に収めるのがベストという意見でまとまり、史上初の「オール2階建て」にするという機体の青写真を描き上げられました。


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