ハイエンド層の旅客をターゲットに
2007年9月1日、インド・ムンバイに向けてANAの就航第1便が成田空港を飛び立ちました。このムンバイ線に投入したのは、座席数を通常の約4分の1の36席に絞り込み、全席ビジネスクラスとした小型機「ANAビジネスジェット」です。ムンバイはインドの西海岸に面したマハラシュトラ州の州都。商業や金融の中心地でもあり、就航以来、多くの日本人ビジネスマンに利用されています。週6便でスタートした同路線は、好評を受けて08年4月よりデイリー運航に変更されました。
ANAビジネスジェット(左)とJAL国内線ファーストクラス(右)の各シート |
そして同じ年の12月には、JALが羽田/伊丹線で運航するボーイング777-200に国内線初のファーストクラスを導入しました。乗客へのアンケート調査をもとに設定した同クラスのコンセプトは、「お客さまのプライベートな空間・時間を尊重する最上級のおもてなし」。ゆとりあるスペースに高品質のアメニティや食器、食事や茶菓、飲料まで豊富なバリエーションを取り揃え、利用者の好みにあった“最上級のサービス”を提供してくれます。08年以降は羽田/福岡線、羽田/札幌線にも導入路線を拡大しました。
このように、両社ともいま、上級クラスの旅客にターゲットを絞った従来にないハイエンドのサービスをそれぞれに追求し始めています。こうしたプレミアム戦略を推進する背景には、エアライン業界をとりまくどのような環境変化があるのでしょうか。
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