航空券/航空会社・エアライントピックス

大手航空会社の“プレミアム戦略”って何?(3ページ目)

ここ数年、エアライン各社のハイエンド層をターゲットにしたサービス向上競争が活発化。その“プレミアム戦略”推進の背景には、業界をとりまくどのような環境変化があるのでしょうか?

執筆者:秋本 俊二

上位2割の顧客でなんと80%の収益


欧米でもアジアでも、メガキャリアはこぞってプレミアムな顧客層にターゲットを切り替え始めました。その背景には「顧客の上位2割が収益の80%を生み出す」というマーケットの構図があります。

実際、あるエアラインの幹部はその収益構造について「ビジネス1人分でエコノミー4人分に匹敵する」と話してくれました。エコノミー運賃の低下が進めば、経営における上級クラスの重要性はより高まります。一方で、全収益の20%しか生み出さない残る8割の層をターゲットにしながら、徹底した低コスト化で十分に利益を出しているのが、ここ数年台頭が著しいLCC(ローコストキャリア)なのです。

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ボーイング787を日本路線に投入予定のLCCジェットスター航空

メガキャリアにとって低運賃勝負には限界があるとすれば、サービスがよければ高い料金を喜んで払ってくれる層をターゲットとするのは当然の流れ。ハイエンドのサービス勝負になると、こちらはLCCでは対抗できません。メガキャリアが推進するプレミアム戦略は、厳しいエアライン業界での生き残りをかけた、まさに最後の大勝負といっていいでしょう。



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