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中華航空機炎上でわかった旅客機のヒミツ(5ページ目)

那覇空港で起きたチャイナエアラインの炎上事故──びっくりしましたね。ところで、乗客乗員の間一髪の脱出劇をテレビのニュースを見ていて、旅客機の構造や仕組みについていくつか分かったことがありました。

執筆者:秋本 俊二

事故のニュースが教えてくれたこと──その4
わずか10秒でセットされる脱出用スライドシュート


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脱出シュートを使っての実地訓練はエアライン各社で繰り返されている
旅客機のキャビンのドアには、内側に緊急脱出用のスライドシュートが収納され、緊急時にはドアを開けると自動的にガスが充填され地上や海に向かって下りていく仕組みになっています。
 
ドアを開けてからスライドシュートが自動セットされるまでに要する時間は、わずか10秒ほど。しかしこれが機能するのは、あくまで緊急時だけで、ふだん乗客が乗り降りするときにはドアを開けてもスライドシュートが出てくることはありません。空港で機が停止しているときには客室乗務員が“ドアモード”を解除しているからです。

空港へ着陸してしばらくすると、機内に「客室乗務員はドアモード操作をお願いします」というアナウンスが流れるのを、聞いたことがありませんか? これは、ドアを開いても自動的に脱出シュートが出てこないようにモードの解除を指示しているのです。

反対に離陸するときには、ドアモードをオンに。ときどきこの操作を忘れる乗務員がいて、マスコミにニュースで取り上げられます。もしドアモードをオフにしたまま飛び立つと、いざといういときに緊急脱出シュートが機能しません。そうしたミスがないよう、エアライン各社の新人トレーニング施設では、細部までを再現させた実物大モックアップを使っての厳しい訓練が繰り返されています。
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※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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