5月に行われる、(株)クロバーさん主催の出版社向け商品説明会は、手芸出版社の人間にとって、毎回とても楽しみなイベントです。今年もこれから人気が出そうな手芸の道具がいろいろ発表されました。その中で、実際に私が体験した「デュエット手芸針」をご紹介しましょう。
「デュエット手芸針」は、穴が二つある刺しゅう針です。二つの穴にそれぞれ別な色の刺しゅう糸を刺すことで、2色のステッチが簡単にできます。そのままふつうに刺すだけでも、一つ穴の針に2本の糸を刺すよりも、布への抵抗がなく、スムーズに刺すことができます。
しかし、「デュエット手芸針」の特徴は、一本の針に通された2色の糸を、それぞれ交互に扱うことで、2色の糸が奏でるハーモニーを楽しめる変わりステッチにあります。
たとえば、チェーン・ステッチ。2色の刺しゅう糸を通し、一本ずつ交互に針に引っかけて刺すと、こんなふうに一度で2色ステッチができます。
さらに、バックステッチは、ひと針戻るときに、2色の糸と糸の間を割って針を刺します。そうすると、このようにアウトラインステッチを2本刺したようなステッチができます。針穴が大きいので、リボンと5番刺しゅう糸という太さが違う素材のデュエットを楽しむこともできます。その前に、まずはいちばんスムーズに刺しやすい5番糸同士の組み合わせで、試してみてください。
ほかにもレゼーデージーステッチや、オリジナルの変わりステッチがいろいろできます。自分で新しいステッチを発見する楽しみも生まれる、この「デュエット手芸」にぜひ挑戦してみてください。
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