ブロードバンドの急速な普及
図1 ブロードバンドの契約数(出展:平成17年版情報通信白書) |
皆さんも実感されているように、ここ最近高速通信インフラであるブロードバンド(ADSL、光ファイバなど)が急速に普及してきました図1は、日本のブロードバンド回線契約者数です。平成16年末で、1866万契約に達しています。さらに携帯電話の契約数も、平成16年末で8700万契約に達しています。さらに、携帯電話の契約数のうち約8割がiモードなどのインターネットを利用しています。このように日本のインターネットインフラは確実に進展しています。数年前には、夜11時を過ぎると急にネットアクセスが増えていましたが、それから比べればかなりの進歩ですね。
Webアプリケーションエンジニア
このようにインターネットのインフラが進展してくると、次にはWeb系のコンテンツ充実が課題になります。Web系コンテンツには、ヤフーや楽天など消費者を対象にするものと、企業内で利用される業務アプリケーション(イントラネット)の2つがあります。どちらも重要なものであり、今後はこのようなWeb系コンテンツが開発できるエンジニアの必要性が高まってきます。今回は、Webアプリケーションエンジニア(以下、WebAPエンジニア)のスキルと取得したい資格についてご紹介します。Webアプリケーションエンジニアの仕事とスキル
消費者向けコンテンツでも企業内システムでも、基本的には次のプロセスでシステム開発を行います。(1)調査企画
顧客がどのようなサービスを要求しているかを調査し、システムの企画を作成します。特に消費者向けコンテンツの場合、Webサイトで提供するサービス(ネット上での販売、ネットを活用したマーケティングなど)に対してどれらくのアクセスがあるかなどの調査を充分に行い、システム企画を行なう必要があります。ここでは従来の業務系システムを開発するシステムエンジニアとは違うスキルが必要です。例えば、ネットで販売する場合、その商品の特性にあった顧客がどれくらいいるか(市場規模の調査)、その顧客がネットを利用する場合の回線種類(アクセス環境)など、システム開発スキルよりもマーケティングに関するスキルが求められます。
(2)コンテンツの開発
Webアプリケーションの場合、HTMLやPHP、Javaなど従来の業務システムと違う開発言語を使うケースが多くあります。また、WebサーバーのOSには、UNIXやLinuxが使われるケースが多く、Windows系OSの知識だけでは開発できないことがあります。WebAPエンジニアには、このようなOSやWeb系のプログラミング言語に関する知識と経験が求められます。さらに、Webサーバーを構築する場合、ファイヤーフォール、暗号化などのセキュリティに関する知識も重要になります。
(3)コンテンツの公開と運用
コンテンツが完成したら、Webサーバー上に公開します。この後は、運用管理を行うことになります。尚、運用管理にはコンテンツの更新やトラブル対策なども含まれます。特にWeb系アプリケーションの場合、外部からの不正侵入などには充分注意する必要があります。今年4月から個人情報保護法が全面施行され、特に個人情報を扱うアンケートサイトなどは、セキュリティ管理が重要になります。WebAPエンジニアは、単にコンテンツの開発だけを行うのではなく、安全に運用できるための知識や経験も求められます。