
北里柴三郎や野口英世の肖像が描かれた千円札は現在もよく流通しているため、ひと目で千円札だと分かりますが、夏目漱石の千円札を若い世代に見せたら偽札と勘違いする人も出てくるかもしれません。先日行われたオークションで、旧紙幣である夏目漱石の千円札が5万5920円に大化けしました。一体なぜなのか解説していきます。
千円が5万5920円に化ける
北里柴三郎、野口英世、その前の千円札に描かれていたのは誰だか分かりますか? もしかすると若い世代の人は知らないかもしれません。なぜなら、その千円札は2007年4月2日に発行が停止されており、発行停止から20年近くが経過しようとしているからです。
野口英世の前に千円札に描かれていたのは夏目漱石です。この夏目漱石の千円札が2026年8月9日に終了した、第129回入札誌「銀座」において4万8000円、手数料込みで5万5920円で落札されました。この千円札はなぜ高値となったのでしょうか?
記番号に注目

夏目漱石の千円札は、昭和59(1984)年11月1日から、発行停止の2007年まで20年以上にわたり発行されていました。そのため、流通量はかなり多いです。しかし、この夏目漱石の千円札は、色で分けると4種類あるのをご存じでしょうか。実はこの4種類は、記番号(紙幣に記載されたアルファベットと数字)部分の色で見分けることができます。
今回落札された千円札は、少し暗めの緑色。これは、平成12(2000)年4月3日から発行されたもので、色順で一番新しいものです。
最も古いのが黒色、次が青色、褐色、暗緑色と続きます。なお、暗緑色には大蔵省銘と財務省銘、国立印刷局銘の3パターンあり、大蔵省銘がこの3パターンの中では一番古いものです。
今回落札された千円札の記番号は「R000001B」で、数字部分が「000001」という1番の“珍番”です。また、アルファベット部分の最初がRのみの1文字となっていることも価値を高めている要素の1つです。後に刷られるものはアルファベットが2文字(例えばRCなど)であるため、1文字のものは同じ大蔵省銘の中でもより古いものと推測されます。
まずは1番という珍番であること、そして発行から20年以上経過した夏目漱石の千円札であり、暗緑色のうち大蔵省銘で英文字部分が1文字である点が高値となった理由といえます。
古い紙幣ほど価値は高くなる

一般的に、珍番紙幣は古い紙幣ほど価値が高くなる傾向にあります。また、流通枚数が多い分、特定の珍番を見つけるのが難しいということもあり、何種類も発行されている紙幣の場合、それぞれの珍番号をコレクションすることで付加価値が高まるでしょう。この夏目漱石の千円札も色と銘を考慮すれば6種類存在するといえるため、マニアはすべて収集したくなることでしょう。
珍番の中でも1番は人気があります。ごくまれに、ATMから出てきた紙幣の中から1番のものが見つかることもありますし、そのほかの珍番も含めて市場に流通している中からも探せる可能性があります。ぜひ新紙幣でも探してみてはいかがでしょうか。発行から年数が経過するほど価値が高まる可能性があります。







