
福沢諭吉の一万円札が7万円で落札される出来事がありました。今でも流通している福沢諭吉の一万円札ですが、なぜ7倍になったのでしょうか?
その一万円札は、2026年8月9日に終了した第129回入札誌「銀座」に出品されました。落札価格は6万2000円、手数料込みで7万2230円です。高額落札となったポイントは、アルファベットと数字、鑑定、状態のよさにあります。
アルファベットと数字に注目

まず、今回落札された一万円札の“記番号(紙幣に記載されたアルファベットと数字)”に注目すると、「A000348A」とあります。
紙幣は、最初と最後のアルファベットがAのものから発行されます(新紙幣はAA)。つまり、今回の福沢諭吉の一万円札は初期発行のものと分かります。しかも348番と、かなり最初の方に発行されたものです。なかなか見ることのないレベルの番号といってよいでしょう。
次に確認したいのが、福沢諭吉の一万円札の“種類”です。「いや、そもそも1種類しかないでしょう」と思うかもしれませんが、福沢諭吉の一万円札には「D号券」と「E号券」が存在します。その違いは、紙幣の表面にホログラムがあるかないか。ホログラムのない昔の一万円札はすでに見る機会があまりないと思われます。
一方、今回の落札品はホログラムのあるE号券。2004年以降に発行されたものです。このE号券には、2004年11月1日から発行された記番号が黒色のものと、2011年7月19日から発行された褐色のものがあります。落札品は黒色のものです。つまり、2004年以降に発行された新福沢諭吉の一万円札の中では古い方にあたります。
D号券ならさらなる高値となったことでしょう。とはいえ、E号券でも初期発行のものは価値が高いことが分かります。
紙幣も鑑定に出す時代に

もう一点、付加価値を高めた要因があります。それは鑑定済みの紙幣であること。落札品は、ACCAによる鑑定結果がついており、「97EPQ」の評価がついています。ACCA(Asian Coin Certification Authority)とは、2008年に台湾で設立された新興のコイン鑑定会社です。
一般的に、コインの鑑定会社といえば、PCGS(Professional Coin Grading Service:1986年に創設されたアメリカの第三者格付け鑑定会社)とNGC(Numismatic Guaranty Company:1987年にアメリカで創設された第三者格付け鑑定会社)が二大巨頭と言われています。そのような中で、アジアのコイン・紙幣に強い鑑定会社としてACCAは知られており、あえてACCAの鑑定を依頼する人もいます。
なお、ACCAでは100段階のグレード評価となっており、今回の落札品は「97」評価となっています。97は完全未使用レベルの評価です。また、EPQという評価もついています。EPQとは、Exceptional Paper Qualityの略で、印刷当時の紙質を維持している場合に表記されます。
おそらく、今回の一万円札は発行されてすぐに保管されたものと推測されます。発行直後から丁寧に保管し、その後に鑑定に出すと、高評価となれば価値がさらに高まります。
今やコインや紙幣は鑑定に出し、価値を高める・保つのが当たり前となっています。鑑定機関に依頼すると、専用のケースに収められるため、何もせずに保管するよりも劣化を防げるのが最大のメリットです。加えて、客観的なグレードが明確になることで、将来手放す際にも、買う側・売る側の双方が安心して取引できます。
珍しいコインや、できたてほやほやのコイン・紙幣のうち価値が高く見込めるものは、鑑定に出すことも検討されるとよいでしょう。
<参考>
第129回入札誌「銀座」 Lot番号:590 新福沢諭吉10000円札 黒番 1桁 A000348A ACCA(97EPQ)







