
お昼ご飯のあとにゴロゴロするのは至福のひととき。でも、長めの昼寝が体調にどう響くのかは気になるところですよね。昼寝のせいで夜眠れなくなって昼夜逆転、なんてことも珍しくないでしょう。
山田悠史さんの著書『最新科学が覆す 体にいいのはどっち?』では、誰もが気になる健康トピックスについて良いか悪いかを解説しています。正しい知識を見極めるのが難しいネット時代だからこそおすすめの一冊。
今回は本書から一部を抜粋し、実際に昼寝がどう体に響くのかを解説します。
眠いときはしっかり1時間以上、昼寝したほうが健康にいい?
答えは「×」
・昼寝は「薬」にも「毒」にもなる。
・30分までの昼寝は、集中力・記憶力を高める。
・1時間以上の昼寝は、病気や死亡率を高めるという研究がある。
休日の午後、ついウトウトして、1時間ぐっすり……。そんな昼寝は、とても気持ちがよいものです。しかし、健康にとっては、この「長い昼寝」は果たしてよいことなのでしょうか。実は、昼寝はその時間によって、「薬」にもなれば、「毒」にもなり得る、ということがこれまでの研究で示唆されています。
健康によい「薬」となるのは、30分までの短い昼寝です。この「パワーナップ」は、頭をすっきりさせ、午後の集中力や記憶力を高め、疲労感を軽くしてくれる効果があることが、多くの研究で示されています。寝起きがボーッとすることも少なく、すぐに活動を再開できるのも利点です。
頻度が高くなるとさまざまな病気のリスクが
一方、30分以上、特に1時間を超えるような長い昼寝には、注意が必要です。こうした長い昼寝の習慣は、頻度が高くなると長期的には心臓病やがんなど、さまざまな病気のリスクを高めてしまい、死亡率まで増やす可能性がある、と大規模な調査で報告されています。
昼寝をするなら「気持ちいい」と感じるままに長く寝るのではなく、タイマーをかけて30分で切り上げる。これが、昼寝を味方にするためのルールと言えそうです。実際には、なかなか難しいときもありますが、まずはタイマーをかけるところから。
山田 悠史(やまだ・ゆうじ)
マウントサイナイ医科大学(米ニューヨーク)老年医学・緩和医療科医師。米国老年医学・内科専門医、医学博士。慶應義塾大学医学部を卒業後、日本全国各地の病院の総合診療科で勤務した後、2015年に渡米。現在は高齢者医療を専門に診療や研究に従事している。国内ではWEBマガジン『ミモレ』、ニュースメディア『NewsPicks』などで医療・健康情報を発信する他、AIと医療をつなぐ合同会社ishifyの共同代表を務める。米国では、NPO法人FLATの代表理事として在米日本人の健康を支援する活動にも力を入れている。






