食と健康

毎朝の「牛乳1杯」で悪玉コレステロールが上昇する? 医師が教える「牛乳は体に悪い」説の真相

昔から体にいいと言われる牛乳ですが、最近はさまざまな情報があり「結局どうなの?」と迷うこともあるでしょう。実際、体にとって牛乳はプラスになるのかどうか。その答えと理由を解説します。※サムネイル画像:PIXTA

All About 編集部

ぶっちゃけ牛乳って体にいいの? ※画像出典:PIXTA
ぶっちゃけ牛乳って体にいいの? ※画像出典:PIXTA

健康や美容のために、牛乳を毎日の習慣にしている方も多いはず。一方で、牛乳に含まれる脂肪分から体への影響が気になる人もいるでしょう。

山田悠史さんの著書『最新科学が覆す 体にいいのはどっち?』では、誰もが気になる健康トピックスについて良いか悪いかを解説しています。正しい知識を見極めるのが難しいネット時代だからこそおすすめの一冊。

今回は本書から一部を抜粋し、「牛乳は体にいいのか悪いのか」について解説しましょう。

目次

牛乳は体に悪い?

答えは「×」

・飽和脂肪酸が含まれていて、LDLコレステロールが上昇するかも。

・牛乳が悪いと言い切る証拠は乏しい。

・乳製品の摂取で脳卒中リスク減少も。

牛乳が体に悪いと言われる背景には、牛乳の摂取が動脈硬化性の病気、すなわち心筋梗塞や脳梗塞につながるのでは……という理由があるようです。なぜなら、牛乳には「飽和脂肪酸」と呼ばれる脂肪が含まれていて、これがLDLコレステロールを上昇させるからです。

LDLコレステロールというのは、悪玉コレステロールと呼ばれているコレステロールで、その増加が動脈硬化を促進してしまうというわけです。

一見筋が通っていますが、よく見ると「三段論法」になっています。牛乳を飲めばLDLが上昇する、LDLが上昇すれば動脈硬化が増える。しかし、三段論法を見つけたら疑う癖が必要です。AならばB、BならばCが真実でも、AならばCが真実とは限らないからです。

これを否定するような反論を考えてみます。例えば、牛乳には血管を守るように働くリノレン酸という不飽和脂肪酸も含まれているため、逆に動脈硬化を防いでくれる可能性も考えられます。

牛乳は心血管の病気のリスクになる?

そこで、牛乳と心血管の病気との直接的な関連を評価した研究をいくつか見てみます。すると、メタ分析と呼ばれる手法を用いた研究は、牛乳摂取と心血管リスクとの間に関連性は示されなかったと報告しています。さらに、牛乳とともに乳製品の影響を評価した別のメタ分析では、乳製品摂取と脳卒中リスク減少との関連性を報告しています。

このように、「飽和脂肪酸が多く含まれる」ことから考え出された「理論上の影響」とは異なる結果を示している研究が複数あります。現時点で牛乳が体に悪いとは言えないようです。

 

山田 悠史(やまだ・ゆうじ)
マウントサイナイ医科大学(米ニューヨーク)老年医学・緩和医療科医師。米国老年医学・内科専門医、医学博士。慶應義塾大学医学部を卒業後、日本全国各地の病院の総合診療科で勤務した後、2015年に渡米。現在は高齢者医療を専門に診療や研究に従事している。国内ではWEBマガジン『ミモレ』、ニュースメディア『NewsPicks』などで医療・健康情報を発信する他、AIと医療をつなぐ合同会社ishifyの共同代表を務める。米国では、NPO法人FLATの代表理事として在米日本人の健康を支援する活動にも力を入れている。

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