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シニア世代の貯蓄額、持ち家派と賃貸派でどれくらい違う?住居維持の負担にも差

「老後は持ち家が安心」と言われる一方で、「身軽な賃貸がいい」という声も聞かれます。今回はAll About読者向けに毎月実施している「家計のアンケート」の回答より、60歳以上の住居と貯金額を実態を見てみましょう。※サムネイル画像:amanaimages

舟本 美子

舟本 美子

おひとりさまのお金・ペットのお金 ガイド

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「老後は持ち家が安心」と言われる一方で、「身軽な賃貸がいい」という声も聞かれます。どの世代にとっても悩ましいこの問題ですが、実際に60歳以上の世代は、どのような選択をしているのでしょうか。

今回は、All About読者向けに実施している「家計」についてのアンケート調査(2025年1月~2026年1月集計)の回答をもとに、実際の住居形態や貯金額、それぞれの維持管理における注意点を整理します。
シニア世代は「持ち家」と「賃貸」どちらが多い?※サムネイル画像:amanaimages

シニア世代は「持ち家」と「賃貸」どちらが多い? ※画像:amanaimages

シニア世帯の約8割は「持ち家」派

アンケートの結果、シニア世帯(60歳以上)の住居形態の内訳は、以下の通りとなりました。

持ち家(戸建て):58.4%
持ち家(マンションなど):19.4%
賃貸:18.9%
その他(家族の住居など):3.3%

シニア世帯では、全体の約8割(77.8%)が「持ち家」に住んでいることが分かります。

日本では高度経済成長期以降、「現役時代に住宅ローンを完済し、老後は住居費の負担を軽くする」というライフプランが一般的とされてきました。

今回の調査結果は、そうした住まいの在り方が、現在のシニア世代に色濃く反映されているといえます。

持ち家派はどれくらい貯蓄できている?

持ち家に住む回答者の貯蓄額(リスク資産除く)を見ると、戸建てかマンションかによって資産状況の傾向が分かれました。

●持ち家(戸建て)の人の貯蓄額
持ち家(戸建て)と回答した人のうち

1000万円以下:51.1%
1000万円超~2000万円以下:21.4%
2000万円超~5000万円以下:15.6%
5000万円超:11.8%

戸建て派は、貯蓄「1000万円以下」が約半数を占める一方で、「5000万円超」が約10人に1人の割合で存在しています。

なお、戸建ては月々の支払いがない半面、次のような維持費を負担する必要があります。

税金:
固定資産税は、住み続ける限り一生かかる。毎年届く通知に基づき、年4回に分けて納めるのが一般的

修繕費:
水回りや屋根補修、外壁塗装など、築年数に応じて数十万~数百万円の支出が発生する

バリアフリー化:
手すり設置や段差解消など、安全に住み続けるための改修にまとまった費用がかかる

●持ち家(マンションなどの共用住宅)の人の貯蓄額
持ち家(マンションなどの共用住宅)と回答した人のうち

1000万円以下:39.1%
1000万円超~2000万円以下:13.8%
2000万円超~5000万円以下:31.0%
5000万円超:16.1%


マンション派は、2000万円超が合計で約47.1%と半数に迫る割合で、戸建て派(約27.4%)に比べて貯蓄にゆとりがある層が目立ちます。

なお、マンションの場合は、毎月かかる管理費や修繕積立金が固定費として発生し続けます。

管理費:
共用部の清掃、保守点検、光熱費などに充てられる。マンションに住み続ける限り、毎月支払いが必要となる

修繕積立金:
外壁塗装や屋根の防水工事など、十数年ごとに行われる「大規模修繕」に備えて積み立てる

賃貸派はどれくらい貯蓄できている?

全体の約2割を占める賃貸派の貯蓄額(リスク資産は除く)の状況はどうでしょうか。

●賃貸の人の貯蓄額
賃貸と回答した人のうち

1000万円以下:71.8%
1000万円超~2000万円以下:13.0%
2000万円超~5000万円以下:8.2%
5000万円超:7.0%

賃貸派は「1000万円以下」が約7割を占め、持ち家派に比べると手元の現金が少ない傾向にあります。また、今回の調査では現在の家賃についても聞いています。

5万円以下:50.6%
5万円超10万円未満:37.6%
10万円以上:11.8%

合計で約9割(88.1%)の方が10万円以下、5割が5万円以下の物件を選んでいます。
 
賃貸は身軽に住み替えられるのがメリットですが、シニアになってからの賃貸契約はハードルが高くなりがちです。高齢者が賃貸を借りにくくなる理由には、次のようなものが挙げられます。

健康・孤独死リスク:
発見の遅れや事故物件化を家主が警戒するため

支払い能力の審査:
年金のみの収入では、長期的な家賃負担力を厳しく見られるため

保証人の不在:
親族も高齢化すると、連帯保証人を確保するのが難しいため

若いうちから入居していた物件に入居できれば問題ありませんが、高齢になってからの部屋探しは容易でない場合があります。シニア向けの優遇があるUR賃貸住宅などを、早めに視野に入れておくことが重要です。

どちらを選ぶにせよ「住居費」の確保を

結局のところ持ち家、賃貸のどちらも、住まいにかかるコストがゼロになることはありません。ご自身の貯蓄額とこれからの生活費を照らし合わせ、無理のない住まい選びを継続していくことが、穏やかな老後を過ごすための鍵となるでしょう。

【アンケート調査概要】
対象:All About読者
期間:2025年1月~2026年1月
調査方法:ネットによる任意回答
有効回答総数:1197(複数回答可)
【編集部からのお知らせ】
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