物価高や年金への不安もあり、「このまま老後を迎えて大丈夫だろうか」「老後破産という言葉が気になる」と感じる人も少なくないでしょう。
そこで今回は、50代によくあるお悩み別に、老後破産を避けるための考え方と対策をお伝えします。
1 「老後資金が足りるか」が不安
「年金だけで生活できるのかな」「年金はいくらもらえるのだろうか」「貯蓄は足りるのか」といった不安は、50代に増えてくるお悩みです。大きいな教育費や住宅ローンの返済で思うように貯蓄が進んでいないケースも見られます。「老後にいくら必要か」を考えて不安になりがちですが、その前に、まずは「老後にいくらあれば暮らせるのか」という自分の支出状況を把握することが大切です。
そこで、ざっくりと老後の生活費をイメージしてみましょう。教育費や住宅ローンがいつまで続くのか、賃貸なら、家賃がかかり続ける点も確認しましょう。
そのうえで、1カ月に最低限必要な生活費を具体的に考えてみます。
次に、その金額が、年金と貯蓄でまかなえるかを確認します。50歳以上になると、誕生月に届く「ねんきん定期便」には、将来受け取る年金額の目安がより具体的に載っています。
65歳からの受給開始を遅らせることで年金額を増やすことも可能です。「ねんきんネット」や公的年金シミュレーターを使えば、より詳しい内容が見られるのでぜひチェックしてみましょう。
不足が見込まれる場合は、少しでも早く、貯蓄を上乗せしていくことが重要です。月1万~2万円でも積み立てを続けることで、将来の安心につながります。
同時に、生活費そのものを下げることも効果的です。基本的には、子どもが独立したら保険が不要になるか、減額できる可能性が高いです。不要なサブスクに支出が続いているケースもよく見られますので、クレジットカード利用明細やスマホなどの料金内訳なども、ぜひ細かく確認してみましょう。
現役のうちに生活費をスリム化しておけば、貯蓄も増えますし、老後に必要な生活費が下げられますので安心感が増えます。
2 「老後の収入」が減る不安
老後の収入は、基本的に年金が軸になります。現役時代に比べて、定期的な収入が減ることに不安を感じる人も多いでしょう。可能であれば、老後も少し働くことを視野に入れておくことをおすすめします。
月5万円の収入でも、年間60万円、5年で300万円になります。この金額を節約だけで生み出すのはそう簡単なことではありません。夫婦なら、2人で5年間で600万円分ですから大きいですよね。
健康で働けるうちは、無理のない形で収入を得る選択肢を持つことが家計の支えになります。今のうちから、定年退職後にどのように収入を得るかを考えながら、お試しで副業として試しておくのも手です。
3 「続く物価高」への不安
物価高が続く中、「老後はさらに生活費が上がるのではないか」と不安を感じる人も多いでしょう。その対策の1つとして、早いうちから投資をしておくことがあげられます。物価が上がる局面では、株価も上昇する傾向があるため、株式型の投資信託を積み立てる方法も選択肢の1つです。
NISAを活用し、月数千円からでも長期で積み立てていくことで、リスクを抑えながら資産形成が期待できます。
50代は、まだまだ20~30年の時間があります。少しでも早く積み立てを始めると、それだけ長い投資期間を得られます。積み立てを始めたら短期で判断せずに、長期目線でじっくり続けていきましょう。
4 老後の生活がイメージできない
「老後の生活が想像できず、何を準備すればいいか分からない」という声もよく聞きます。そんな場合は、職場の先輩や親せき、友人など、10~20歳ほど上の世代に話を聞いてみるのもおすすめです。
「平日に旅行に行けるようになり、旅行代が抑えられた」「料理が趣味になり、外食費が減った」「思っていたよりも洋服代がかからなくなった」「医療費に意外とお金がかかるので、現役時代から健康に気をつけたほうがいい」という声もよくあり、現役時代とは支出傾向が変わる場合もあります。
リアルな話を知ることで、老後にどんな備えをしたらよいかというイメージがわくでしょう。
以上、老後破産が心配な50代の方からよくあるお悩みについて解決のポイントをお伝えしました。
対策としては「自分の現状を知って、今から少しずつ整えること」。できることから1つずつ始めてみると、老後破産への不安は確実に小さくなっていくはずです。早いうちから着手して、安心感をどんどん増やしていきたいですね。








