簡単に「自分に戻りたい」と言えない理由
――映画の中でまなみが「もしかしたら戻れるかも」と話すシーンがありますよね。「チャンスがあるから戻ろう」ではなく「もし戻れる方法が分かったって言ったら、どうする?」という提案だったのが興味深かったのですが、お二人は、本当の自分に戻る・戻らないの選択についてどう考えていますか?高橋:15年も入れ替わった体で人生を歩んできているので、簡単に戻りましょうとは言えないのだと思いますし、戻りたいけど戻りたくないという葛藤は生まれますよね。まなみは戻りたい思いもあるけれど、やはりまなみとして歩んできた人生があるから、陸のことを考えると……。だから、提案として話をしたんじゃないでしょうか。
芳根:15歳で入れ替わったときは、いきなりそれが起こったんです。すぐに戻れるという案があればよかったけれど、年月がたてばたつほど、進学、就職、結婚と経験し、それぞれ新たな人間関係も構築されていきますから、戻ることは簡単ではないと思います。
でも私は、思わぬ入れ替わりから、入れ替わった体で人生を歩んで、元の自分に戻ることが簡単ではなくなるというところがこの映画の面白さだと思います。
高橋:戻るか戻らないかの選択は本当につらいですよね。最初の「入れ替わっちゃったよ! どうしよう!」という感覚の方が、まだ楽かもしれない。
芳根:戻った後、大変なことになるのは目に見えていますからね。戻りたい気持ちはあるけど、家族、仕事、生活環境が……と考えてしまいます。
高橋:ああ、苦しくなってきた(笑)。戻っても戻らなくても、とにかく陸とまなみには幸せになってほしいです。
芳根:以下同文です(笑)。私もそう思います。この映画を見た、皆さんの感想が知りたいです。どんなふうに受け止めてくださったのか、ぜひ教えていただきたいです。
高橋:僕も知りたいですね。映画をご覧になったら、ぜひ感想を聞かせてください。よろしくお願いします!
芳根京子さんプロフィール
1997年2月28日生まれ。東京都出身。2013年、ドラマ『ラスト・シンデレラ』(フジテレビ)で俳優デビュー。2015年『表参道高校合唱部!』(TBS)、2016年、連続テレビ小説『べっぴんさん』(NHK)に主演。2018年映画『累-かさね-』『散り椿』の演技で第42回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。主演ドラマ『波うららかに、めおと日和』(2025/フジテレビ)で第124回ザテレビジョンドラマアカデミー賞主演女優賞を受賞。
高橋海人さんプロフィール
1999年4月3日生まれ。神奈川県出身。2018年、King & PrinceのメンバーとしてCDデビュー。2018年、ドラマ『部活、好きじゃなきゃダメですか?』(日本テレビ)で初主演。2023年、主演ドラマ『だが、情熱はある』(日本テレビ)の熱演が話題になり、第116回ザテレビジョンドラマアカデミー賞主演男優賞を受賞。ほか『95』(2024/テレビ東京)『DOPE 麻薬取締部特捜課』(2025/TBS)などに主演。近作は映画『おーい、応為』(2025)。
『君の顔では泣けない』2025年11月14日公開
原作:君嶋彼方『君の顔では泣けない』(角川文庫/KADOKAWA刊)監督・脚本:坂下雄一郎
出演:芳根京子、高橋海人、西川愛莉、武市尚士
©2025「君の顔では泣けない」製作委員会









