でも安心してください! がんばる節約より、買い物クセを見直すだけで、暮らしはちゃんと軽くなります。今回は、年金生活でも負担なく続けられる、今日からできる買い物のヒント3つをご紹介します。
ヒント1:「いつもの食事」を観察して買い過ぎ防止
節約をスタートしよう!と決心するとき、家計簿をつけたり、安いスーパーをはしごしたりと、気合が必要な方法を思い浮かべる方も多いかもしれません。でも実は、節約に気合は必要ありません。節約の第一歩は「いつもの食事」を観察することから始めましょう。ここでの目的は「適量をつかむ」ことです。
やることは2つだけです。
1. 最近2週間で作った献立と食材を書き出して、完食日数で色分けする
例:「1回で完食」「3日で完食」「余りがち」を色分けする
2. 食材を2週間以内の使い切り度でチェックする
例:「必ず使い切る」「ほとんど出番がなかった」「ストック棚で眠っている」
こうして、いつもの食事を観察して自分にとっての適量が分かると、買い過ぎ防止につながります。冷蔵庫も家計も自然とスリムになる好循環が生まれます。
ヒント2:捨てた理由こそ節約のヒント
節約の本質は「安さ」よりも「使い切る力」をアップすることが重要です。使い切る力を引き出すために、献立と食材から使い切る力のヒントを探っていきます。まず、ヒント1で書き出したリストの捨てた食材に、ひとこと理由を添えてみましょう。
「安かったから買ったけど使い道がなかった」
「まとめ買いで使い切れなかった」
「家族の好みじゃなかった」
「作り過ぎた」これは、できれば直視したくない……一見もったいない記録ですよね。でも実は、これが節約成功につながる「宝の地図」なんです。
例えば、3束300円の野菜を2束ダメにした場合、1束300円で買ったことになります。それなら1束150円を使い切る方がお財布にも暮らしにもやさしいということが理解できます。
宝の地図をよく見て、節約の本質である「使い切る力」を引き出してみてください。思わぬ発見があるはずです。
ヒント3:献立は「ざっくり」がちょうどいい
「献立はしっかり立てるほど節約になる」と思っていませんか? ところが、急な外食、その日の気分や体調などによって献立計画が崩れてしまいがちです。一度崩れると、食材の消費やメニュー構成で調整をしようとして、かえって負担に感じてしまうことがあります。これでは本末転倒です。
そこでおすすめなのが、「ゆるいテーマ設定」の献立です。
献立テーマリストの例(画像は筆者作成)
ここで気になるのは外食した場合ではないでしょうか。外食は「回数」より「満足度」で決めるのがおすすめです。
- なんとなく1000円のランチ×3回=3000円
- しっかり満足できる1500円の定食×1回=1500円
このように、後者の方が満足度があるため「また行きたい」という気持ちが落ち着き、結果的に支出が減ります。節約は我慢ではなく、満足の適量化と覚えてください。
また、友人と持ち寄りで食卓を囲むのもおすすめです。それぞれの「いつもの一品」を持ち寄れば、新しい食材や味との出会いにもなります。何より、笑い合いながら一緒に食べる時間は満足感もひとしおです。
「お金を使わない工夫」ではなく、「お金をかけず満たされる時間」を増やすこと。これも年金生活の大切な知恵です。
今日からできる「買い物のマイルール」を作りましょう
買い物のクセや献立の傾向が見えてくると、自分だけのルールも自然と浮かんできます。例えば……
- 特売より「使い切れる量」を優先
- 旬・バラ売り・少量パックを味方に
- 迷ったら買わない
- 買い物は週2回まで
節約は「削る」より「クセの改善」から
物価高そのものは変えられませんが、ご自身の買い物のクセは今日から変えられます。- 「安いから買う」から「使い切れるから買う」へ
- 「がんばって節約」から「ムダを見つけてやめる」へ
- 「計画で縛る」から「ゆるく続ける」へ
慌てて節約をがんばるより、これまで当たり前と思っていた買い物の“クセ”を見直すだけで暮らしにゆとりが生まれてきます。
まずは今日の買い物から、気軽に始めてみてくださいね。







