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「名刺がない」「相手が不在」…三流は焦る、二流は謝る。一流の “相手を不快にさせない” 伝え方

予想外のトラブルや理不尽な相手に、つい感情的に反応していませんか? どんな場面でも冷静に受け流す、一流の“切り返しの言葉”をご紹介します。(サムネイル画像出典:PIXTA)

All About 編集部

急なトラブルや理不尽な発言、一流はどう対処する?

急なトラブルや理不尽な発言、一流はどう対処する?

急なトラブルや理不尽な発言に、つい感情で反応してしまうことはありませんか?

『その言語化は一流、二流、それとも三流? 頭のいい”この一言”』(清水克彦 著/青春出版社)では、どんな場面でも冷静に対処できる“言葉の構え”を解説しています。

今回は本書から一部抜粋し、ハプニングにも人間関係にも動じない言葉術を紹介します。

【ハプニング】三流は「感情的になる」、二流は「冷静に対応する」、一流は?

仕事をしていると、予想外の出来事に遭遇するものです。相手が約束の時間に訪ねてきたのに、会う約束をしていた同僚が不在。名刺交換をしようとしたら、持ち合わせていないことに気がつく。相手の名前が難しくて読めない、など、落とし穴だらけの毎日です。

そんなとき、相手を不快にさせないものの言い方を、ケースごとにまとめてみました。

■相手が来社したのに、対応するはずの同僚が不在のとき、角を立てない表現
・「お待たせいたしまして大変申し訳ございません。山本はあいにくまだ帰社しておりません。差し支えなければ、私が承りますが」
・「遠いところをお運びいただきましたのに申し訳ございません。私のほうで直ちに連絡を取ってみますので、今しばらくお待ちいただけますでしょうか」

■名刺を持っていないとき使う表現
・「ただいま名刺を切らしておりまして申し訳ございません.後ほどメールさせていただきます」
・「名刺を持ち合わせておらず、失礼いたします。後日、お送りさせていただきます」

このほか、相手から名刺をもらったものの、名前の読み方がわからない場合は、「失礼ですが、何とお読みすればよろしいのでしょうか」「初めて目にするお名前ですが、どう読めばいいのでしょうか」と返しましょう。

また、約束どおり相手の職場を訪ねたのに不在だった際は、どうすればいいでしょうか。

A「困りましたね。アポイントを取って来たんですよ、こっちは」
B「どなたか別の方でご対応いただけませんか」
C「出直しても構いませんが、どなたかにご対応いただけると助かります」


Aのように不満をあらわにせず、必要であれば、婉曲な表現で相手の同僚や上司に対応を求めるのがベターです。交渉事であれば、相手のミスは、あなたにとって有利になりますから、感情をそのままぶつけないことが一流の大人の対応です。

誰かが代わって対応してくれた場合は、「貴重な時間をありがとうございました」「聞いていただけて感謝申し上げます」と告げて退席するのがポイントです。

【決めの一言】「よろしければ私が」「できれば別のどなたかに」
相手は、臨機応変に、ちゃんと対応する人を信頼する

【職場のウザい人対応】三流・二流は「話に乗ってしまってストレスがたまる」、一流は?

社会人ともなれば、どんなにウザい相手とでも、大人の対応をしなければなりません。

「きのうのサッカー見ました? えっ、見てない? すごい試合でしたよ」

A「へえ、そうなんですか」
B「へえ、そうなんですか。どんなゲーム展開だったのですか?」
C「へえ、そうなんですか。スポーツニュースででも見ればよかったです」


仕事中でもお構いなしに、大好きなサッカーの話題を延々と話し始めるウザい人。そのかわし方として、A~Cのどれが望ましいかという話です。

Aは、相手が同期や年下の人間であればOKかもしれませんが、上司など年長の人間が相手であれば失礼に当たります。「私はサッカーに関心がありません」というニュアンスが伝わってしまうからです。

Bのように、本当はサッカーに興味がないのに話を合わせてしまえば、相手はさらに詳細に、きのうのゲーム展開を説明しようとしますから、聞かされる側は仕事に集中できずストレスが増えます。

Cは、相手に話を合わせつつ、やんわりと受け流しています。つまり、相手との会話に「水路」を作っているのです。

■ウザい相手からの話を受け流す表現
・「そのお話、前にもうかがったことがあります」
・「その○○って、インスタ映えするケーキとして、すでによく知られていますよね」
・「せっかくのお誘いですが、私、エスニック系の料理は苦手でして。お声がけいただいただけでありがたく存じます」

このように、直接的に「その話はしたくない」という意思を見せるのではなく、相手に寄り添いつつ「ずらす」感覚、つまりは「水路」を設けて受け流すことが一流の話し方です。

【決めの一言】「そのお話、前にも聞いたことがあります」
相手には笑顔を見せながら「反応しない」こと

この書籍の著者:清水克彦 プロフィール
政治・教育ジャーナリスト、びわこ成蹊スポーツ大学教授。愛媛県今治市出身。早稲田大学大学院公共経営研究科修了、京都大学大学院法学研究科博士後期課程満期退学。文化放送入社後、政治記者、ベルリン特派員、米国留学を経て、ニュースキャスター、大妻女子大学非常勤講師、報道チーフプロデューサーを歴任。専門分野は「現代政治」と「国際関係論」。大学ではキャリアセンター長を務め、メディア出演、オンライン記事の執筆や講演など幅広く活動中。ベストセラー『知って得する、すごい法則77』(中公新書ラクレ)ほか著書多数。

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