エンガディン地方
エンガディン地方の全景
スイス東南部の山岳エリアにあたるエンガディン地方。ユングフラウやマッターホルンのように、シンボルとなる有名な山こそありませんが、森と湖、そして山岳風景のコントラストが素晴らしいエリアです。スイスの主な町の標高は500~600m程度なのですが、エンガディン地方は約1,800mと高地にあるため、夏でも涼しく、その爽やかな空気はシャンペンの味に例えられて、「シャンペン・クライメート」と呼ばれています。夏のシーズンはもちろん、木々が黄色く色づく秋の美しさもまた格別です。
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サンモリッツ
夏のサンモリッツ湖。対岸にはサンモリッツの町
エンガディン地方の中心が、世界的に有名な山岳リゾート、サンモリッツ。過去に2度、冬季オリンピックが開催されました。高級リゾートとして知られ、町中はブランド店が軒を並べます。年間322日という高い晴天確率を誇り、太陽がこの町のシンボルマーク。スイスを東西に結ぶ観光列車の氷河特急が、サンモリッツとツェルマットの間を約8時間かけて結んでいます。
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サンモリッツ周辺の村
スグラフィットと呼ばれる技法で描かれた家壁の装飾
観光客で賑わうサンモリッツを避けて、周辺の村に泊まってみるのも良いでしょう。シルス、ツオーツ、ポントレジーナなど、ローカル色豊かな可愛い村が、サンモリッツのまわりに点在しています。エンガディン地方の多くの家や建物の壁には、淡い色の絵や文字など見事な装飾が描かれ、道行く人の目を楽しませてくれます。ケーブルカーやロープウェイを利用して、この地方の山岳ホテルに泊まってみるのも、きっと良い体験になるでしょう。
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ベルニナ沿線
エンガディン地方のハイライトが、列車でめぐるベルニナ沿線の旅。その素晴らしい山岳地帯を走る鉄道技術と周辺の景観は、2008年に世界文化遺産に登録されました。サンモリッツからイタリアの町、ティラーノを結ぶ約2時間半の車窓からは、次々と現れる氷河の素晴らしい景観を楽しむことができます。ベルニナ沿線には、他にもディアヴォレッツァ展望台やロゼック谷など、通り過ぎるにはもったいない観光スポットがたくさんあります。