これから見る人の中には若手人気俳優の吉沢亮と横浜流星の競演や、歌舞伎の世界の舞台裏ものぞけそうと期待に胸を膨らませている人もいるでしょう。しかし一方で、歌舞伎を見たこともないし、原作も読んでいない。まして175分という上映時間に耐えられるだろうか……そんな理由で足踏みしている人も多いのでは。
そこで今回は、All About 歌舞伎ガイドの筆者が歌舞伎初心者でも楽しめるポイントや、本当の歌舞伎の世界と映画で描かれている世界の違いなどを解説します。これを読めばきっと映画が見たくなるはず!
どんなストーリー? 映画『国宝』のあらすじ

喜久雄の才能を見いだす上方役者の花井半二郎(渡辺謙) ※画像:©吉田修一/朝日新聞出版 ©2025映画「国宝」製作委員会
しかし、その日喜久雄が余興で演じた『積恋雪関扉(つもるこいゆきのせきのと)』を見て才能を感じた歌舞伎役者の花井半二郎に引き取られ、歌舞伎の女形としての道を歩むこととなります。半二郎には喜久雄と同い年の俊介(横浜流星)という息子がいて、2人は同じ学校に通い、同じ道を進み、切磋琢磨していきます。
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