“結果を出すスクール”として人気の「マナースクールEMI SUNAI」代表・諏内えみさんの著書『我慢しない、侮らせないビジネスパーソンの処世術 戦略としてのずるいマナー』では、社会人になって最初に学ぶ基本的なマナーとは一味違ったマナー術についてお伝えしています。
「ずるいマナー」が目指すのは、単に相手に合わせるのではなく、自分の利益も確保しつつ、相手に「感心される」ようなスマートな立ち居振る舞い。自分も快適に、相手にも喜ばれる、そんな一石二鳥の効果を狙った、まったく新しいアプローチなのです。 今回は本書から一部抜粋し、期日を過ぎても返ってこない資料のチェックなどを、相手に不快感を与えずに催促するための具体的な「ずるいマナー」について紹介します。
資料のチェックを催促したい時、どうする?
お願いしていた資料のチェックが期日になっても返ってこない。「◯日までにお返事いたします」と伝えられたにもかかわらず、もう2日も過ぎている! よくある事態ではありますが、あなたは次のように連絡していませんか?
期限を守れなかった相手に非があるにしても、責められ感たっぷりの言葉を受け取るのは辛いもの。・お返事はまだでしょうか?
・○○の件、ずっとお待ちしているのですが。
・お約束した期日をすでに過ぎております。早急にお送りください。
受け取り手によっては、あなたの好感が薄れてしまうことも考えられます。ですから、ここはぜひ戦略的にいきたいところ。
あなたの品格や器の大きさの見せどころでもあります。
と、お伺いの文言にすると角が立ちません。また、・お願いしている資料ですが、その後いかがでしょうか?
なども上手な言い方です。・◯◯の件についてのお返事はすでにお送りいただいておりますでしょうか?
「すでにお送りいただいた回答が何かの間違いでこちらに届いていないかもしれないので確認したい」というニュアンスになり、配慮と品がうまく示せる言い方となります。
さらに、「ご多忙のところ恐れ入ります」などのクッション言葉を添えられれば、なお品格を感じさせます。
相手も、期限を守れなかったことへの罪悪感を抱いているはず。そんなときに届いたメールや電話が気遣いの言葉だったら、相手はあなたの心遣いに感謝するでしょう。
不満があるときほど相手を責めずに立ち回る。このような状況こそ「ずるさ」の使いどころです。
あなたの好感度を上げるチャンスに変えてしまいましょう。
今回の「戦略」で得られる相手のメリットを確認!
諏内 えみ プロフィール自分のミスを自覚しているときほど、相手の気遣いや器の大きさに救われる。
「マナースクールEMI SUNAI」「親子・お受験作法教室」代表。マナーを始め、立ち居ふるまい、会話術、社交術を伝授。キャンセル待ちの出る「テーブルマナー講座」や「婚活戦略講座」「『育ちがいい人®』のふるまい・会話レッスン」が好評。「親子・お受験作法教室」では、第一志望合格率95%を実現。多くの有名校でのトップ合格を達成している。映画・ドラマでの女優のエレガント所作、男優のスマート所作指導にも定評がある。ベストセラー『「育ちがいい人」だけが知っていること』『もっと!「育ちがいい人」だけが知っていること』 (ダイヤモンド社)他著書多数。All About 暮らしのマナーガイド。