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小田和正が21世紀にリスペクトされる理由(2ページ目)

「小田和正?ああ、オフコース?」と少し引いたあなたはきっとバブル世代。今や小田さんといえば難民支援やHIV感染とエイズの啓発に楽曲が使われるリスペクトな存在。それはなぜ?をボランティア的に考察してみます!

筑波 君枝

執筆者:筑波 君枝

ボランティアガイド

団塊世代で、全共闘世代

Oh!Yeah!
「カンチ~」に涙した名作ドラマ「東京ラブストーリー」の主題歌も収録されているアルバム「Oh!Yeah!」
小田和正さんは1947年(昭和22年)生まれ、今年60歳。60歳!なんですね…。ビックリです。いわゆる団塊の世代で、全共闘世代。う~ん、あの美声には似合わない字面かも……大きなお世話ですが。

この世代のヒーローといえば、吉田拓郎さん、岡林信康さんに、泉谷しげるさん、五つの赤い風船などフォークのカリスマたちです。70年代の学生運動のさなか、フォークソングはメッセージソングでした。メッセージとは、社会への批判であったり、弱者への共感であったり、生活の中で感じる理不尽な思いであったり……。日々の暮らしの中からテーマを探して歌を作る方も多く「四畳半フォーク」などともいわれましたっけ。

切々と歌う愛

カリスマたちと同世代の小田さんは1970年のデビュー。しかし、オフコースは不遇時代が意外に長く、ブレイクしたのは1979年に発表された「さよなら」が大ヒットして以降でした。そして、80年代前半には数々の大ヒットを飛ばし、時代を代表する存在となったわけです。

歌ったのは、ずばり愛。切々と愛を歌い上げる小田さんの美しいハイトーンボイスが、女性たちの心の柔らかい部分をグッとつかんでいきました。が、その声と歌詞のゆえに「女々しい」「ネクラ」「軟弱」と揶揄されることにもなったわけです。軽薄短小な浮かれたご時世だったこともありますが、メッセージ性の強い70年代フォークに比べると、愛だの恋だのが、女々しくも映ったのでしょう。

愛の中にある普遍的なメッセージ

そんな風に軟弱だ、女々しいといわれた小田さんの楽曲ですが、その言葉の中に巧みに社会へのメッセージが織り込まれていたりします。たとえば、中学の教科書に採用されている「僕等の時代」などはまさしくそう。

「あなたは『昔は良かった』と言ってばかりだけど、時代はちょっとずつ移り変わっていく。だから一緒に歩こうよ」

といった内容の歌詞です。「あなた」が恋人を指すのか、友人を指すのか、それとも聞いている1人ひとりに向けているのかは、それぞれの受け取り方でしょう。それによってラブソングにも、友人または自分自身への応援ソングにも聞こえます。そして「時代は、移り変わっているんだ」といった意味の今も色あせない普遍的なメッセージが心に残っていきます。

「生まれ来る子供たちのために」には、もっとストレートなメッセージが込められています。→→それは次ページへ!
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