小田和正さんといえば……

自己ベスト2
小田和正さんの最新アルバム「自己ベスト2」。タイアップ曲を中心に構成されています。
小田和正さんといえば、オフコース。1980年代前半、小田さん率いるオフコースには、ややネガティブなイメージがありました。そのイメージ作り(?)に大きな役割を果たしたのが、若き日のタモリさん。ラジオなどでその楽曲を「ネクラ」「軟弱」「女々しい」と、盛んにおちょくっておられました。同様の理由で、さだまさしさんも俎上に乗せられていましたよね。

軽薄短小といわれ、バブルに一直線だったあの頃、オフコースは時代を代表するビックグループでした。その音楽性の高さは玄人好みとも言われ、影響を受けたミュージシャンも少なくありません。でもその一方で、その詞と美声に、どことなぁ~く受け入れるのがためらわれるような思いを持つ人もいたのです。時代の空気というヤツでしょうか。

難民支援と、エイズ感染への理解と

RED RIBBON Spiritual Song ~生まれ来る子供たちのために~
RED RIBBON Spiritual Song~生まれ来る子供たちのために~。HIVウィルス感染への知識と理解を促す啓発プロジェクトのキャンペーンソングです。
時代はめぐって21世紀。小田さんの楽曲への当時とは全く違う評価を、耳にするようになりました。

たとえば、オフコース時代の「生まれ来る子供たちのために」が1999年に難民支援を訴えるTVCMに使用されています。それをきっかけに、この歌は、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の応援ソングとしても採用されました。生まれ来る子供たちの世代に、難民問題とその解決に思いを馳せて欲しいという願いが込められています。

さらには、12月1日の世界エイズデーに合わせて、エイズ患者とHIV感染への一般への理解を深めるための啓発プロジェクトのキャンペーンソングとして「生まれ来る子供たちのために」の新バージョンも発売されました。小田さんほか、絢香さん、加藤ミリヤさん、GLAYのTAKUROさんとTERUさん、Skoop on SomebodyのTAKEさん、一青窈さん、ケツメイシのRYO、湘南乃風の若旦那さんが集結したコラボレーションCDです。

収益の全額は、日本エイズストップ基金に寄付されます。HIVの現状に共感し、小田さんのメッセージに心を動かされた若いビックネームがボランティアで参加しているというわけです。いまや小田さんは、日本のミュージック界の大御所ではあることはもちろん、リスペクトされる存在となっているといえるでしょう。

教科書にも登場

チャリティだけではなく、中学校の国語の教科書にも「僕等の時代」の詞が紹介されています。音楽ではなく、国語という点が注目ポイントでしょう。歌詞に力があることの証です。

そうそう、数年前には、ダウン症のお子さんの生涯を綴った明治生命(現・明治安田生命)のCM「たったひとつのたからもの」のバックにセルフカバーしたオフコース時代の「言葉にできない」が流れ、多くの人の涙をも誘いましたね。

かつては「ネクラ」とまで揶揄された小田さんの楽曲が、今、なぜ、こういった形で支持されているのでしょうか。私たちのどんなツボを刺激してくれているのでしょう。その理由をボランティア的に考察してみると……→→次ページへ!