メリット、デメリットがあることを知る
過ぎたるはおよばざるごとし。合成洗剤も石けんも適量を守って使いすぎないのが鉄則です。 |
ポイントの1つは、使用量です。合成洗剤でも石けんでも使用量が増えれば排水が分解されにくくなり、環境に負荷をかけてしまいます。
特に石けんの洗浄力はそれほど強くはないので、汚れを落とすのに合成洗剤より量を多く使わなければならないというデメリットがあります。また、洗剤は、水温が高いほうが洗浄効果が高く、特に石けんはそれが顕著です。あらかじめ、石けんをお湯で溶かしてから使ったほうがより効果があるのです。
使用量をおさえるには、体なら最初に水かお湯で主な汚れを流す、衣類なら汚れているところをあらかじめブラシでこすって落とす、付け置き洗いをしておく、食器なら新聞紙やボロ布で汚れをふきとっておくなどの処理をするだけでも変わってきます。重曹や酢を活用して、洗剤の量そのものを減らす工夫をこころがければ、たくさん使わずにすみますよね。
また、硬水なら合成洗剤が、軟水では石けんが適しているといるように、それぞれの得手不得手もあるのです。どちらを使用するにしても、そういった知識をもって選んでいくことも必要でしょう。
物との関係をていねいに築く
石けんVS合成洗剤に限らず、環境問題は「○○は環境に良い」「××は良くない」と簡単に答えを求めてしまがちです。でも、人体への影響や環境への負荷、原料の調達や製造方法、輸送等々を考えると、なかなか簡単に答えは出せないものなのです。1点のみに話を集中させると問題の本質が見えにくくなるということもあります。たとえば、家庭排水のうち石けんや洗剤の成分は20%以下といわれます。これが多いか少ないかは別にして、残りの80%は油分だったり、汚れだったり、食べ残しのゴミだったりします。何を使って洗うかの前にこういったものを流さないことがもっと大切です。また、1度着ただけで当たり前のように洗っていないかといったライフスタイルの見直しも必要でしょう。
そもそも洗剤やせっけんを使うべきなのかという問いもあります。また、メーカーにもっと無害な洗剤を作ってほしい、洗剤をたくさん使わない洗濯機を開発してほしいと働きかけるのも1つの方法です。
一般に広まっている話を聞き、「これは環境に良い」「これは良くない」と性急に思いこんでしまうのではなく、知らない相手とじっくり人間関係を築くように、物の特性をよく知って、物との関係ももう少していねいに築いていく。そんな視点を持って、物を選んでいくことが大切なんじゃないかなと思います。
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・石けん・洗剤100の知識……もっと深く知りたい方はぜひどうぞ!
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