合成洗剤は体に悪い?
パリッと仕上がった洗濯物は気持ちがいい!でも、コワイ話を聞かされると考えちゃいますよね。 |
こういった話は、本当なのでしょうか。確かに、合成洗剤では手荒れなど皮膚トラブルを起こしても、石けんなら大丈夫ということを実感している人も多いですよね。敏感肌でかぶれやすい人もいますでしょうし、合成洗剤の中に含まれるなんらかの化学物質にアレルギー反応を起こす人もいるでしょう。合成洗剤と皮膚トラブルの因果関係は議論の分かれるところで、なかなか難しいところです。
でも、じゃ、石けんなら肌が荒れないかというと、決してそうではありません。石けんも肌荒れの原因になります。極端にいうと、体質によっては、お湯で食器を洗うだけでも荒れてしまう人もいるのだそうです。成分の違いから石けんのほうが荒れにくいとはいえるかもしれませんが、合成洗剤だって、皮膚トラブルの直接の原因となる物質は含まれてはいません。
実際、ガイドも冬になると手湿疹に悩まされますが、台所洗剤に石けん洗剤を使っているときと、合成洗剤を使っているときとで、それほど状態に違いはないんですよね。むしろ、そのときの体調や洗い物の量、回数などの条件よって差が出るような気がします。確実にいえるのは、重曹やお酢を併用して石けんや合成洗剤の量そのものを減らすほうが、手は荒れないってこと。これはあくまでもガイドの場合は、ですが。
洗いすぎも皮膚トラブルの一因
洗うという行為は、皮膚を弱酸性に保ち、病原菌から守ってくれている皮膚常在菌も一緒に流してしまうことになります。回虫博士として知られる藤田紘一郎先生の実験によると、石けんで1回洗うと、皮膚常在菌の約90%が流されてしまうのだそうです。もちろん、1日程度で残りの10%の菌が増殖し、元通りに戻りますので、これ自体の心配はありません。ただ、スポンジでゴシゴシ体をこすりすぎたり、いくら肌にやさしいとされている石けんでも、1日に何度も体を洗ってしまったりすると、皮膚から常在菌がいなくなってしまいます。すると、細菌が入り込みやすくなり、肌荒れやアレルギーの一因となってしまうのです。
だから合成洗剤は皮膚トラブルの原因にはなるかもしれない。特に洗浄力の強いものは避けた方がいい。でも石けんだってトラブルを起こすことがある。過剰に使えばどちらも良くない。皮膚トラブルは1人1人の体質や体調、使用している洗剤の頻度や量、環境などによって変わってくるので、合成洗剤=トラブルの原因となると言い切ることもできないということになりましょうか。