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“日本国憲法”は、なにげにスゴイ!(2ページ目)

5月3日は憲法記念日。1947年に施行されて60年。最近は改憲の動きが活発になっています。でも憲法って簡単に変えてもいいものなの?そもそもどうして変えるの?今年の憲法記念日は憲法のこと、少し考えてみませんか。

筑波 君枝

執筆者:筑波 君枝

ボランティアガイド

戦争の犠牲になるのは誰?

戦車
憲法を改正し、日本を戦争してもいい国にしてみる? う~ん……。
ガイドは、日本を戦争してもいい国にはしたくありません。だから、改憲には反対の立場です。ガイドは“ボランティアガイド”であって、反戦活動家でもないですし、特別な思想を持っているわけでもありません。でも、人が人を殺すことが容認される戦争は絶対にイヤですし、反対だと自由に発言できる世の中であってほしいと思います。

戦後60年以上経っても広島や長崎では原爆の被害に苦しんでいる人がいます。アジアの国々では未だに日本の戦争責任を問う声が絶えません。なのに、なぜ、今、憲法を変えて、戦争をしてもいい国にしようとするのでしょう。

それに、戦争で犠牲になるのは普通に暮らす人たちです。戦場の最前線には、父や夫、兄弟や子どもが銃を持って立ち、町が戦場になったとき戦火に追われるのは私たちです。それはやはりイヤだなと、ガイドは思います。

ダラダラとやめられない、21世紀の戦争の正体

チェチェンやめられない戦争
チェチェンで何が起きているか、そして暮らしの場が戦場と化すとはどういうことかを知る意味でもおすすめの一冊。
戦争は人と人が殺し合う残酷さはもちろん、ひとたび起こると、簡単にはやめられない。21世紀の現代は、そんな悲劇に陥りやすい特徴があるような気がします。アフガニスタンにしても、イラクにしても、戦争が民族間の紛争となり、内戦状態となり、果てしなく続いていますよね。

そういった戦争がダラダラと果てしなく続く理由を2006年に暗殺されてしまったロシア人ジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤは、こう書き残しました。

「この戦争(チェチェン戦争)は、結局のところそれを遂行している者すべてにとって好都合なものなのだ。それぞれが自分の持ち場を得ている」(「チェチェンやめられない戦争」三浦みどり訳・NHK出版)と。

検問所で賄賂を四六時中手に入れる契約志願兵、予算に組まれた「戦争資金」を個人運用する将軍たち、「一時的人質」や遺体の引き渡しで身代金を稼ぐ中間の将校たち、「掃討作戦」で略奪する下っ端の将校たち。そして全員が違法な石油や武器の取引にかかわっているという具合です。

戦争によって自分の居場所を見つけ、利益を得る人たちのサイクルがくるくると回り、そこから抜け出すことができなくなっているというのです。だから、チェチェンは戦争をやめられない。

イラクにしても、アフガニスタンにしても同様ではないでしょうか。争うことで確実に利益を得る人のサイクルができているのではないでしょうか。だから、やめられなくなり、止まらなくなり、延々とダラダラと続いてしまうのではないでしょうか。そして、そのサイクルの中に置かれ、今日を生き延びるだけしか考えられないギリギリの生活を強いられているのは、そこで暮らす普通の人たちです。

一度、戦争のサイクルが作られるとやめられなくなる。終わらないのではなくやめられない。それってとても恐いことだと思いませんか?

次ページでは、憲法を考えるために役立つ本をご紹介。
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