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アンフェアは誰?フェアトレードを知ろう!

途上国の生産者の自立を促し、環境にも優しいフェアトレードの商品。「でもイマイチよくわからない」というあなたのために、いまさら聞けないフェアトレードの基礎知識をわかりやすくまとめました。

筑波 君枝

執筆者:筑波 君枝

ボランティアガイド

5月はフェアトレード月間。13日の「世界フェアトレード・デー」を中心に、フェアトレードをアピールするために、日本はもちろん世界中で様々なフェアやイベントが開かれています。

「ええと……、そもそもフェアトレードっていうのはなんだっけ?」というあなた! そんなあなたのために、いまさら聞けないフェアトレードの基礎知識をまとめました。これを機にフェアトレードが何かをおさらいしておきましょう。

アンフェアは誰?

2005年12月のWTO(世界貿易機関)閣僚会議(香港)での、フェアトレードのファッションショー。ニューヨークのトップモデルもボランティアで参加し、先進国に「フェアな貿易を!」と訴えた。©ピープル・ツリー
フェアトレードとは、その言葉通り、公正な貿易のこと。途上国の原料や製品を、適正な価格での継続的な購入を通じて、立場の弱い人たちの自立と生活を改善することを目指す取り組みです。オルタナティブ・トレード(Alternative Trade=もう1つの貿易)とも呼ばれます。有機栽培などの生産方法を採り入れ、環境を維持したまま採算が取れる産業として成立させることなども目標です。

たとえば、日本では、アジアなどの途上国で生産された日用品や食品を驚くほどの安価で買うことができますよね。でも、その商品を生み出すために、生産国では過剰な農薬や化学肥料の使用で農地が疲弊したり、そこで働く現地の人が低賃金で雇用されたり、ときには学齢期の子どもが働くことが黙認されていたりということが起こっています。買う側の目には見えませんが、安さを維持するために、環境を破壊し、最も弱い末端のワーカーたちが搾取の対象になるといったリスクを途上国が背負っているという現実もあるのです。

フェアトレードで取り引きされる品々は、こういった商品の対極にあるものといえます。経済的に豊かな力の強い国に有利な取り引きではなく、途上国の生産者の自立などを促し、環境にもやさしい物を作り、先進国とのフェアな関係で取り引きする、それがフェアトレードの目指す姿です。

スタバも、イオンもフェアトレードに進出

フェアトレードが盛んになったのは、1960年代のヨーロッパ。「援助ではなく貿易を!」をキャッチフレーズに市民運動として広がりました。日本で活発になったのは1980年代後半頃からです。当時は、バナナや黒糖、コーヒーなどの食品や手工芸品が中心でしたが、最近はフェアトレードに取り組む団体や店が増え、商品も多様化しています。ガイド記事「母の日に贈りたい! 南の国からのギフト」でもご紹介したように、日本の消費者のニーズに合わせて、デザインの洗練されたものも多くなっています。

NGOや専門店だけではなく、企業もCSR(Corporate Social Responsibility=企業の社会的責任)の一環として、フェアトレードへの取り組みが目立ってきました。たとえば、イオン(株)ではプライベートブランド「トップバリュ」にフェアトレードコーヒーをラインナップし、販売をしています。ジャスコのプライベートブランド「SELF SERVICE」でも、フェアトレードのアクセサリーや衣料品の取り扱いが始まりました。

また、スターバックス コーヒー ジャパン(株)でも同様に、小さなコーヒー農園を支援する取り組みを行っています。ほかにも大学の生協で取り扱われたり、企業や大学のオフィス・食堂用のコーヒーをフェアトレードに変えるところも増えているなど、徐々にすそ野が広がってきた感があります。

次ページでは、フェアトレードの商品の認証や公正な取り引きを維持するための配慮などについてご紹介します!
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