ボランティア/ボランティア関連情報

アンフェアは誰?フェアトレードを知ろう!(2ページ目)

途上国の生産者の自立を促し、環境にも優しいフェアトレードの商品。「でもイマイチよくわからない」というあなたのために、いまさら聞けないフェアトレードの基礎知識をわかりやすくまとめました。

筑波 君枝

執筆者:筑波 君枝

ボランティアガイド

フェアな商品を決めるのは誰?

すそ野が広がり、様々な場所でフェアトレード商品が扱われると、心配な点もあります。それは「これって、本当にフェアトレード?」という疑問が湧いてきたら、どうすればいいのかということ。
「これは有機栽培のオーガニックコットンで作られていますよ。途上国とのフェアな取引で生まれました。」
と言われれたら、それが本当かどうかを確かめる術は買う側にはありませんよね。それを見極めるための目安の1つになるのが、次の2つのマークです。

まずはこちら、FLOラベルといいます。FLOは国際フェアトレード機構(International Fair Trade Organization)の略で、製品ごとに「この条件を満たしているものがフェアトレード」という基準を決め、審査と認証を行う組織です。基準をクリアした製品のみが、フェアトレードと認められます。基準が設けられているのはコーヒー豆、紅茶、チョコレート、バナナ・マンゴーなどの果物、はちみつ、ワイン、サッカーボールなどです。


こちらは、IFAT、国際フェアトレード組織連合(International Federation for Alternative Trade)の認証マーク。フェアトレード商品を扱う各国の小売業者や生産者グループが加盟しています。IFATが定めている規約を守っている団体のみが加盟、加盟団体であることを証明するマークです。日本では、ぐらするーつ、ネパリ・バザーロ、ピープル・ツリー(フェアトレードカンパニー株式会社)の3つが加盟しています。

簡単にいえば、FLOマークは商品の、IFAT認証マークは団体の信頼性を保証していることになるわけです。

ただし、NGOが支援地域から仕入れている物や、生協などが独自のルートで共同購入している商品には、こういったマークは付いていません。このマークは認証機関のマークで、信頼の1つの目安だと考えてください。これがないから信頼できないということでは決してありません。そこのところは、絶対に間違えないでくださいね。

フェアな価格と継続的な取り引きを維持する仕組みは?

フェアトレードのチョコレート。冬期限定で各ショップに置かれている。添加物などを余分なものが使用されていないので、美味! カカオ本来の味が楽しめるとファンが多い。
では、フェアトレードの商品が、店頭に並ぶまでのシステムは他の商品とどう違うのでしょうか? “適正な価格で継続的な取り引き”を維持するために、どのような配慮がされているのでしょう。

フェアトレードの定番、コーヒー豆を例にとってみましょう。コーヒー豆は安定した需要が見込まれ、継続的な取り引きが期待できる一方で、先物取引市場で売買される相場商品でもあることから、価格が大きく変動するリスクもあります。相場価格が下落すれば、生産者の生活は大打撃! フェアトレードの目指す生産者の自立が難しくなってしまいかねません。

そういったリスクを避けるために、フェアトレードは相場に関わらず最低価格を保証する、さらには代金前払いや長期的な売買契約を結ぶなど、生産者に有利な条件を採り入れています。生産者はそれによって、安定的な収入を得て、将来に備えた計画的な生産もできるようになるというわけです。また、取り引きする側も「フェアトレード」という一種のブランドで販売することで、他との商品との差別化することができるメリットがあります。

言葉にすると、簡単に聞こえるかもしれませんが、時間も費用もかかるシステムですから、利益を重視する企業にとっては、フェアトレード商品に取り組むことは、目に見える“うまみ”が少ないことも事実です。特に日本では認知度も高いとは言い難いですから、そんな中で、大手企業が本格的に参入していることは、社会貢献度の高い“ボランティアな企業”であると評価できるポイントになりますね。

次ページはフェアトレードデーのご紹介です。全国各地でフェアトレードに関するイベントが予定されています。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます