民族の十字路で培われてきたアフガニスタン料理
「アフガニスタン料理」と言われても、正直、ガイドにはなかなかこれ!という料理が浮かびませんでした。世界地図をうっすらと思い浮かべ、お隣のパキスタンならカレー、イランだったらカバブ、ならばアフガン料理とは? と考えつつ、写真付きのメニューを一目して、納得! 古来からシルクロードの中継地点として栄え、民族の十字路とも呼ばれてきた土地らしく、近隣地域の様々な食文化に影響されてきたことが一目でわかる料理の数々が並んでいました。たとえば、これ!
(左から)モルグタンドリ、ゴースファンカバブ(羊肉の串焼き)、シャミカバブ(挽肉とトマトの串焼き)。 |
右の皿はゴースファンカバブ(羊肉の串焼き)とシャミカバブ(挽肉とトマトの串焼き)。これはイランやトルコでもおなじみですよね。特に、このゴースファンカバブのおいしかったこと! 羊肉ってこんなにおいしいのね~と、しみじみ……。敬虔なイスラームの国の料理に対してこんなことを言うのも失礼なのですが、ビールにとっても合います。(ごめんなさい!)
タンドールで焼いた絶品のナン!
続いてご紹介したいのは、こちら。各地の食文化が混ざり合っていることがうかがえる料理を並べてみました。サブジパラク(ホウレンソウの煮込み)(左)、ブラニバテンジャン(なすのトマト風味ヨーグルト添え)ウズベキナン(上)、アフガニスタンのナン(下) |
実はガイドはこのホウレンソウのサブジに目がありません。インドやネパール料理の店に行くと、必ずオーダーしたくなります。カブール食堂のホウレンソウのサブジは、インド風に比べると、油とスパイスをおさえてあるので、とてもヘルシーで、スパイス料理になじみのない人もおいしくいただけることでしょう。
中央はブラニバテンジャン。油で揚げたジューシーなナスをトマトで煮込み、ヨーグルトが添えられています。相性抜群のトマトとナスが、ヨーグルトによってさらにマイルドな料理として楽しめます。ヨーロッパから中央アジアにかけて広く食されているヨーグルトは、アフガニスタンでも様々な料理に使われているのだそうです。
そして主食はナン。2枚乗っている下はアフガニスタンのナン。上の丸いナンは、アフガニスタンに住むウズベク民族のナン。ケシの実と黒ごまのようなシアダナという実がパラパラと振られています。このウズベキナン、絶品でした。カブール食堂ではナンもタンドールで焼き上げているとのことで、パリッとしたおこげとふんわりとした食感で、これだけで幸せな気持になれそう! ぜひお試しください。