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ボランティア基本の“き”VOL.4 ボランティアの“困ったちゃん”ってどんな人?(2ページ目)

「困っているときはお互いさま」がボランティアスピリットの基本の“き”。でも、ときどきいるんです。 “困ったちゃんだな……”って思われちゃうボランティアが。さて、それはいったいどんな人なのでしょうか?

筑波 君枝

執筆者:筑波 君枝

ボランティアガイド

世間の非常識は、ボランティアだって非常識!

ボランティアを必要としている人がいるのだから、約束したことを必ず守るのは、最低限のマナー。
さて、あなたが思うボランティアの困った行動はいくつありましたか? 

正解を先にいってしまうと、1から5までどれもが困ったちゃんもしくは、困ったちゃんになってしまう危険のある行動なんです。個々に解説しましょう。

まずは1の「ボランティアなのだから、休むのもやめるのも自由」。これはおわかりですね。「○日に行きます」という約束をすっぽかす。引き受けた仕事を途中で放り出す。連絡もしないで勝手にやめる。こういった行動が他の人に迷惑をかけてしまうのは、いうまでもありません。

ボランティアは、自主性や主体性が大切な行動ですから、無理をしてまで参加する義務はありません。でも「やります」といったからには、責任が生じます。「来る」と約束をした人を待っている人がいますし、無責任に放り出したことが、活動をしている団体の信用性に関わることだってあるのです。約束を守るのは、最低限のマナーです。

2の「名簿の入力作業が終わらなかったので、自分の判断で家に持ち帰って作業した」も困ったちゃん。個人情報の取り扱いを慎重に行わなければいけないのは、ボランティア活動においても同じです。たとえ責任感からした行動でも「自分の判断で」名簿を持ち帰るなんて、絶対にしてはいけないのです。

また、活動の種類によっては、深刻な相談を受けるなどのプライバシーに関わることもありますが、これも軽々しく口にするなどは御法度。耳にしたり、目にしたことには、守秘義務が生じます。それができない人も、やっぱり困ったちゃんになるのです。世間の非常識は、ボランティアだって非常識だと心得ましょう。

ボランティアをされる側の気持ちを尊重することが大切

相手の気持ちを尊重した行動を心がけたい。
3の「必要とされている活動なのだから、相手も喜んでくれているはず」と信じ込むのも、困ったちゃんになる危険性があります。確かに「自分が必要とされている!」と実感できることは、ボランティアの大きな喜びの1つです。でも、それが必ずしも「相手も喜んでくれている」とはかぎりません。

たとえば自分が年老いて介護が必要となったとき、それを「嬉しい」と思えるでしょうか。もちろん介護をしてくれる人への感謝の気持ちは沸いてくるでしょう。そう思いながらも、内心は「自分のことは自分でしたい」と、複雑な気持ちになるのではないでしょうか。介護を受けながらも「余計なお世話だ」と、うっとうしく思う人だっているかもしれません。ボランティアをされる側にも、様々な思いがあることも忘れてはいけないのです。

さらに「喜んでくれているはず」という思いばかりが強くなると「ボランティアしてやっている」という横柄な気持ちになったり、自分の方が立場が強いと勘違いしてしまいかねません。こうなってしまったら、最悪の困ったちゃん! 相手が何を求めているか、どう考えているかを尊重しながら行動を考えていくことが大切なのです。

次ページでは「テキパキ行動する」と「強い意志」のどこが困ったちゃんなのかを解説します。
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