写真を通じて、たくさんの人とつながっていきたい
参加者は持ってきたネガから3枚を選び、現像し、写真として完成させる。出来上がった作品を1カ所に並べる頃には、互いの距離もぐっと縮まっている。 |
活動中は、どんな点に気を配っていますか?
城所:
1人で参加する方が多いので、こちらから積極的に声かけたり、出来上がった作品を見ながら質問したり、コミュニケーションをこまめに取るようにしています。せっかくワークショップに参加してくれたのに、黙々と作業をして、作品を完成させ「はい、さようなら」では寂しいですから。
「写真美術館のワークショップに来て良かったな、また来たいな」と思ってもらえるような関わり方をしていきたいと常に思っています。
ガイド:
活動を通じてどんな収穫が得られましたか?
城所:
他の方の作品を見るのがとても楽しくて、写真って正解は1つじゃないんだなと改めて学んでいる気がしています。参加者の様々な作品を見ていると、こういう撮り方もできるんだ、こういう視点もあるんだなと気づかされること多いんですよ。何気なく撮ったものでもその人の個性が現れていたり、何を考えているかが想像できるので、写真ってやっぱりおもしろいなと、ますます写真が好きになりました。
先の話ですが、このボランティアの経験を生かして、撮った写真を持ち寄って見せ合ったり、批評しあったりする趣味の会を作ってみたいなという気持ちも生まれました。写真をコミュニケーションの1つとして、いろいろな人とつながっていくような試みをしてみたいですね。
ワークショップ終了後、使った道具はきれいに洗い、片付ける。これもボランティアの大切な仕事だ。 |
ずばり、城所さんにとってボランティアとはどんな活動ですか?
城所:
楽しい活動ですね。日常の仕事は、時間に追われ、心が渇いてしまうような殺伐とした気持ちになってしまうのですが、そういう気持ちを忘れて取り組むことができます。
友だちに「ボランティアをしている」と言うと「えらいね~」なんて言われますが、それを聞くたびに「どうして?」と逆に不思議な気持ちになるんですよ。自分を犠牲にして奉仕しているようなイメージが先にあって、楽しんでやっているとは思わないのでしょうね。そういう私も、以前はボランティアと聞くと「途上国での活動」といったイメージを持っていましたから、そう考えるのもなんとなくわかります。
でも、いざ活動してみると、何も犠牲にはしていないし、奉仕している気持ちで関わっているわけでもありません。参加するのもしないのも自由な活動で、それでも来てしまうのは、やっぱり楽しいからなんですよ。自分がやりたくて、来ると楽しいから、参加しているということにつきますよね。
ガイド:
今後は、どんなボランティアを目指したいですか?
城所:
もっと写真に関する知識を増やし、学芸員の方から頼ってもらえるように、城所さんが来てくれるから安心だと思ってもらえるようなボランティアになれるとうれしいですね。
ガイド:
ありがとうございました。これからも楽しくボランティアしてくださいね。